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立川・新生小学校で「ホタル祭り」 地域住民と共に用水のホタルを保全

ホタルを育てた新生小学校の6年生

ホタルを育てた新生小学校の6年生

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 新生小学校(立川市富士見町6)で6月4日・6日、「ホタル祭り」が開かれた。

昭和用水 左下の小さな光がホタル

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 企画したのは同校で「立川市民科」の授業を学習する6年生児童。「まちを知り、まちに愛着をもち、まちに貢献できるまちの担い手を育てる」ことを目的に同小では昨年9月から、通学路そばに流れる「昭和用水」のホタルを増やすプロジェクトに取り組んできた。

 学習のきっかけは、市民科の授業で学年主任の鈴木寿之(としゆき)教諭が児童らに街のことについて尋ねると「ポイ捨てがあり汚い」「鳥のふん害が多い」などの課題が挙がったことから。鈴木教諭が町内のホタルの話をすると、「ホタルがたくさん飛んでいた環境に戻して、地域を元気にしたい」という意見が出たという。

 児童らは、「玉川上水の自然保護を考える会」でホタルの保護や育成に尽力する萩本悦久さんからホタルの一生や特徴について学び、用水からゲンジボタルの卵を捕獲しふ化させて幼虫を飼育。一部を校内で育て、残りの約200匹を用水に放流し、餌となるカワニナをまいたり、用水の清掃活動をしたりして保全活動を行った。

 町内では数年前まで、地域住民から成る「富士見町ホタルを守る会」が保全に努めていたが、現在は活動が途絶えていた。児童らの活動と並行して同会も復活し、次第に児童と協力して飼育をしたり、毎晩用水に自主的に集まって生息数の観測を行ったりした。

 そして迎えた「ホタル祭り」では、多くの在校生や保護者、地域住民が訪れた。児童らは、ホタルの生態や飼育方法について説明したり、パワーポイントによるプレゼンテーションを行ったりしたほか、真っ暗な教室で光るホタルを鑑賞できるようにした。地域住民からは「再びホタルが見ることができた」と泣きながらお礼を言われたり、「初めてホタルを見た」という感想が聞かれたりしたという。

 6年の佐藤陽葵(はるき)さんは「放流の時は地域の人たちも来てくれて、無事に育ち用水に戻っていく姿を見て、元気に育って良かったなと思った」と笑顔を見せた。

 今後、5年生にホタルの幼虫を引き継ぐ譲渡式を行い飼育を継続するという。「今回のホタル祭りを通して、地域の人にも知っていただき、児童らも手応えを感じている」と鈴木教諭。「今後は取り組みを定着させて、児童と地域の方々と共に継続していけたら」と期待を込める。

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