
地域課題や社会課題の解決に挑むスタートアップを応援するピッチイベント「TACHIKAWA innovation match(立川イノベーションマッチ)」が4月18日、me:rise立川(ミライズ立川)で開催された。主催は立川商工会議所のイノベーションファーム実現委員会。
「最優秀賞」に選ばれたTIECLANの森林大河さんが登壇している様子
同委員会は長期ビジョン「Innovation Farm TACHIKAWA」の実現に向け、立川市内に内外からさまざまなイノベーションの種を持つプレーヤーや投資家・支援者を誘引することで、イノベーションが次々と生まれる肥沃(ひよく)な生態系(イノベーション・エコシステム)の実現を目指す。「Innovation Farm TACHIKAWA」とは、同所が2023年に策定した10年後の立川の将来都市像を描いたビジョンで、同所の活動における方針戦略のこと。
当日は立川・多摩地域のスタートアップ起業家4人に登壇してもらい、ピッチコンテストを行った。AccoFit(アコフィット)社長の高木理恵さんは「健康・介護×雇用課題」をテーマに健康経営を目指す企業とその従業員と家族を守るための運動プログラムを提案。ぱんぷきんラボ社長の保坂英之さんは「通信制高校の校務改革」をテーマに、通信制高校での教員経験の知識を生かした教職員向けの校務用システムを提案した。TIECLAN(ティーアイイークラン)社長の森林大河さんは「eスポーツ×地域活性」をテーマに、Z世代にリーチするeスポーツの興行イベントなどによる地域活性化を提案。タチカワファッションラボ社長の余田昭雄さんは、「アパレル×地域ブランド」をテーマに多摩地域企業のブランディング向上のためのオリジナルアパレルを提案した。
審査員は、あいざわアセットマネジメントや日本政策金融公庫など。ピッチ内容を将来性・ビジネスモデル・社会的インパクトなどを軸に審査し、「最優秀賞」にTIECLANの森林さんを選出した。
森林さんは「立川で生まれ、立川で育ってきたので、このような機会に恵まれうれしい。eスポーツの力で地域を活性できたら」と意気込む。
同コンテスト終了後はマッチング交流会を実施。地元企業や金融機関、一橋大学、立川市・八王子市などの行政関係者も参加した。
立川商工会議所の川口哲夫会頭は「種を持っていても、水や土壌など環境が整っていないと芽が出ないように、ビジネスも環境が大切。プロジェクト名の『イノベーションファーム』の名前の通り、同所が立川でイノベーションの種を育てるための環境を提供し、起業家の種を育てていきたい」と期待を込める。