ホーンを主体としたインストバンド「RIDDIMATES」のセカンドアルバム「SEVEN GODS IN A…」が7月3日、全国発売された。

　7人で演奏する厚みのある楽曲とパワフルなステージ演出が特徴の同バンドは、2004年の結成以降、日本の音楽シーンでレゲエとスカを結びつける希少なバンドとして活躍している。2007年には名門レーベル「SKA IN THE WORLD」から、初の日本人バンドとしてファーストアルバムを発売。カフェから野音フェスまで場所を選ばず全国各地でライブ活動を展開するほか、ジャマイカを代表する伝説的なトロンボーン奏者、リコ・ロドリゲスなど、世界で活躍する数々のミュージシャンと共演している。

　「国立の駅前ロータリーを全力疾走して万引き犯を捕まえたこともある」というリーダーの黒須さんは、CD店のスタッフとして現在もディスクユニオン国立駅前店に勤務する。「吹き過ぎぐらいがちょうどいい」とキレのあるエネルギッシュなテナーサックスを演奏する黒須さん。ジャズが好きな父親の影響で中学生の時にアルトサックスを始めたのがきっかけでさまざまな音楽に触れ、10代後半にはプロとしてバンドでデビュー。以来10年間、独自の音楽スタイルを作り続けてきた。

　「音楽は、衣食住の次におまけのようについてくる芸術ではなく、食欲、性欲、睡眠欲という人間の根源的な欲求を感じるどんなシーンにも混ざり合って寄り添えるもの」と黒須さん。幼いころから菜食玄米生活で、母親に「ごはんを大事に。米粒は残すな」としつけられてきたバックボーンが、今回のアルバムに収録された「DON’T LEAVE A GRAIN」という曲につながり、「お米の中には7人の神様が住んでいる」というアルバムタイトルに結びついた。

　レゲエ、スカ、ロックステディなどジャマイカの音楽をベースに、カリプソ、ラテン、ハワイアンと「海を感じさせる音」を幅広く取り入れた新譜は、ファンキーでグルーブ感あふれる曲からスローテンポの歌ものまで、ジャンルを行き来する自由な表現と「ありきたりな展開では終わらない、良い意味での裏切り」（黒須さん）を盛り込みながら、全体を通して「熱いパンク精神が貫く」（同）。

　ダブアレンジでカバーしたキャロル・キングの名曲「I FEEL THE EARTH MOVE」に、国立でも定期的にライブを行っている人気女性バンド「ズクナシ」のボーカル、衣美（えみ）さんをフューチャーしたほか、多彩なゲストが参加している。

　「来場してくれたお客さまに感謝を伝えられるよう、ライブ前はいつも早めに行っていろいろな人と話すようにしている」という黒須さん。自身の誕生日である7月18日、新宿ロフトで開催する発売記念ライブを皮切りに、秋田から福岡まで全国11カ所、約3カ月間の「こめ粒残すなツアー」が始まる。「音楽活動と仕事の両立は大変だが、これからも音を通じて自分が伝えたいことのために頑張るので、多くの方に自分たちの音楽を聞いていただき、ライブパフォーマンスを体感してもらえれば」とも。