多摩動物公園で絶滅危惧種「タスマニアデビル」公開 アジアで唯一

絶滅危惧種のタスマニアデビル

絶滅危惧種のタスマニアデビル

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 多摩動物公園(日野市程久保7)で6月11日から、オーストラリア・タスマニア島だけに分布する絶滅危惧種、タスマニアデビルの一般公開が始まった。

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 野生のタスマニアデビルは、家畜を襲う害獣と疑われて減少したが、保護法により少しずつ生息数が回復していた。しかし伝染病などにより激減。タスマニア州政府は2003年から飼育下繁殖や発症地域以外への個体導入など、保全活動に取り組んでいる。2013年からは海外の動物園での飼育を通じた普及啓発活動が始まり、同園がアジアで唯一タスマニアデビルを飼育する施設となった。

 タスマニアデビルは現存する肉食有袋類としては世界最大種で、体長は約60センチ。かつてはオーストラリア本土にも生息していたが、現在はタスマニア島のみに分布する。夜行性で、ワラビーなどの動物の死体を集団で食べる習性があり、黒い体色と、集団で餌を食べる際に発する鳴き声から、「デビル」と呼ばれたとされている。

 公開するタスマニアデビルは「マルジューナ」と「メイディーナ」の雌2匹。先住民族の言葉で「星」と「影」を意味する。

 同園副園長の坂本和弘さんは「大きな口と赤い耳が特徴で、デビルと名が付いているが怖いものではなく、見てもらうとかわいらしいことに気付くと思う」と話す。「デビルなどという名前がついてしまったことが彼らの不幸だったのかもしれない」とも。

 開園時間は9時30分~17時。入園料は、一般=600円、中学生=200円、65歳以上=300円。小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料。

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