デザイナー・堀内誠一の仕事を振り返る展覧会「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」が1月22日、立川の美術館「PLAY! MUSEUM」(立川市緑町3)で始まった。
堀内誠一は1932(昭和7)年生まれ。雑誌「anan」「BRUTUS」「POPEYE」などのロゴマークをデザインし、ananでは創刊時のコンセプト作りやアートディレクションを手がけた。1958(昭和33)年に「くろうまブランキー」を出版後、「たろうのおでかけ」「ぐるんぱのようちえん」など70冊を超える絵本を出版した。1973(昭和48)年から1981(昭和56)年にかけてはパリ近郊に在住し、旅行記やガイド本を出版。著述家・絵本批評家としても活動し、1987(昭和62)年に54歳で亡くなるまで絵本やデザインの仕事に従事した。
同展では、多岐にわたった堀内の活動を「FASHION」「FANTASY」「FUTURE」の3つのセクションに分け、3組のアーティストが展示空間をデザインした。
「設計事務所ima(いま)」が担当した「FANTASY」エリアは、堀内が手がけた絵本9作品の原画を展示。高さ3メートル以上に拡大した絵本が壁となり、絵本のシーンを再現した天井まで届くほどのぐるんぱのオブジェを展示する。アートディレクターの有山達也さんが担当した「FASHION」エリアでは、堀内がアートディレクションを務めた1970(昭和45)年の創刊号から49号まで49冊のananを展示。デザイナーの三宅瑠人さんと岡崎由佳さんが担当した「FUTURE」では、生前の堀内と親交があったり作品に刺激や影響を受けたりした作家や著名人など100人のコメントや100人が薦める作品を展示する。
開催に先立ち21日には、堀内の長女・堀内花子さんをはじめ、同展キュレーターの林綾野さんらキュレーター4人が訪れ、思いなどを話した。
「父が亡くなって37年経つが、こんなに昔の人間と作品を取り上げてもらい感謝している。100人以上のさまざまなコメントには家族も驚く内容が見られた。大人だけでなく子どもも楽しめる展示」と花子さん。小林マナさんは「3セクションとも見応えがあるので、3時間くらいかけてゆっくり見てもらえたら」と話した。
同美術館の開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日は18時まで、入館は閉館の30分前まで)。入館料は、一般=1,800円、大学生=1,200円、高校生=1,000円、中・小学生=600円(立川市在住・在学者割引あり)、未就学児無料。4月6日まで(2月16日は休館)。