国分寺に子どもが楽しめる喫茶店-「クルミ」テーマにストーリーある空間に

天然木とクルミをメーンに「子どもが楽しく過ごせる場所を」と作られた店内は「グリとグラ」のイメージを再現した

天然木とクルミをメーンに「子どもが楽しく過ごせる場所を」と作られた店内は「グリとグラ」のイメージを再現した

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 西国分寺駅南口に10月1日、子どもが楽しめる喫茶店「KURUMED COFFEE(クルミドコーヒー)」(国分寺市泉町3、TEL 042-401-0321)がオープンした。

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 同店は、共用スペースを設けた新コンセプトの賃貸マンション「マージュ西国分寺」1階に展開する。同所は、オーナーの影山さんの実家があった土地で、「今度は、自分の娘が幼いうちから楽しく過ごせる場所を作りたい」と開業を決めた。

 コンセプトは「子どもが一人の人として過ごせる喫茶店」。渋谷と三軒茶屋に「カフェ・マメヒコ」を展開する「セレンディピティ」代表の井川啓央さんがトータルプロデュースし、立川「石田倉庫」に工房を構える「木とり」の山上一郎さんらが施工に当たった。影山さん同様、幼い娘を持つ父親である井川さんと山上さんは、「自分たちの子どもが楽しめ、想像力がかき立てられるような空間作りを心がけた」という。影山さんが好きだという「クルミ」をテーマに、店全体を大きなクルミの木に見立て、童話絵本「グリとグラ」のような森の小動物が働く店というストーリー性のあるイメージを再現した。

 地下1階~2階の3層構造の店舗は約20坪。床材にはクルミを使用し、内装は天然木をメーンに、鉄、ガラスなどの素材を組み合わせた。外観はガラス張りで、夜になると店内が間接照明に浮かび上がる。子どもの背丈に合わせた50センチ高のテーブル席を用意し、各テーブルに、自分で殻むき器を使って食べるクルミをサービス。子どもが入れる高さのクルミの倉庫や、木製の水道タンクをイメージした小屋、2階席と1階の厨房をつなぎ、実際に注文のやり取りが可能な伝声管など、随所に遊び心を盛り込んだ。「ゆくゆくは、壁面を利用したギャラリースペースとしての活用も考えている」(影山さん)。席数は約30席。

 メニューは「おとな値段」と「こども値段」の2種類を設定した。北海道産の豆を使った「クルミドコーヒー」(650円・400円)、クルミのケーキにアイスを挟んだ「クルミドケーキアイス」(450円・250円)、ミカンを混ぜた生クリームを挟んだ「クルミドケーキクリーム」(430円・230円)、濃縮果汁還元しないストレート果汁100%のリンゴジュース(600円)など。アイス・ホット、カフェオレなどのコーヒーメニューで提供するのはすべて、地下スペースに設置されたサイフォンで8時間抽出した本格的な水出しコーヒー。ケーキやアイスには北海道産の小麦粉、牛乳、ハチミツ、キビ砂糖など国産の材料を厳選して使用し、すべて厨房で手作りする。

 子どもたちがクルミの殻割りや店の掃除などを手伝った場合、それを「仕事」ととらえ、この建物内で流通している紙幣・マージュ(1マージュ=100円)を「報酬」として支払い、飲食代に充てることが可能なシステムを導入するほか、1口=10,000円の「クルミド債権」を発行し、出資者にマージュかコーヒーギフトを進呈するなど、来店客を巻き込んだユニークな経営方法も同店の特徴。

 「店作りも提供するメニューも手を抜かず、地元で50年続く店を目指し、本物の仕事を大事にしていきたい」と影山さん。「近所づきあいの希薄な今の時代だからこそ、子どもたちが放課後に訪れて仕事から帰る親を安心して待っていられるような、地域のコミュニティースペースにできたら」とも。

 営業時間は10時30分~22時30分。木曜定休。

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