富士山の山頂付近をさまよっていた迷い犬が7月29日に無事保護され、昭島の動物シェルター「RJAV被災動物ネットワーク」(昭島市中神3)に搬送された。
登山客に餌をもらい少しふっくりした「富士男」(7月20日撮影)
同シェルター代表の佐藤厚子さんが迷い犬保護の相談を受けたのは7月半ばごろ。山頂から犬の様子をフェイスブックで発信していた植田めぐみさんと連絡を取り、犬に「富士男」と名付け保護に乗り出した。佐藤さんは御殿場保健所や協力者と相談しながら、山頂に捕獲器を設置。29日午前3時頃に捕獲器に入っているとの連絡を受け、5合目からブルドーザーで山頂に向かった。ブルドーザーで捕獲器のまま5合目に降ろし、昭島のシェルターに搬送した。
「富士男は発見当時はあばらが目立っていたが、餌をもらっていたのか保護した時は少しふっくらしていた。下山の時ブルドーザーがかなり揺れ心配だったが、とてもおとなしくしていた。元気だが疲れか安心からか、搬送中はぐっすり眠っていた」と佐藤さん。これから一時預かりの保護者を探す。30日の間に飼い主が見つからない場合は、保護者に譲渡されるという。
「困っている動物を見かけたら、見て見ぬふりをしないで、声を掛け合い協力して助けてほしい。ペット同伴の富士登山には罰則を設けるなどの申し入れを、関係各庁にしていきたい」とも。
現在、同シェルターでは東日本大震災の被災動物など70匹を保護中。佐藤さんは自費で運営しており、「里親」募集と保護動物の生命維持に必要な支援も募っている。