国立の企業が特許取得-おしぼりに抗ウイルス・抗菌技術

特許証の前に立つ藤波社長。「おしぼりからさまざまな事業を生み出していきたい」

特許証の前に立つ藤波社長。「おしぼりからさまざまな事業を生み出していきたい」

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 オリジナル高級おしぼりの開発、販売などを手掛ける「藤波タオルサービス」(国立市泉1)は、抗ウイルス・抗菌技術「VB(ブイビー)」を活用した、「おしぼり及びおしぼりの製造方法」「リネン製品の製造方法及びクリーニング方法」「水溶液」の3件について特許を取得した。2012年1月に出願、今年6月から7月にかけ登録された。

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 同技術は、同社と東京工業大学・慶応義塾大学との合同ベンチャー「パイオニアスピリッツ」との共同研究によるもの。「同合同ベンチャーが、抗ガン治療等のため基礎研究を重ねていたポリ酸(Polyoxometalates)を日用品に応用できないか検討する中、知人を通し当社に声を掛けていただいたのがきっかけ。2010年末から共同研究を開始した」と同社の藤波克之社長。

 「VB」はVirusBlock(ウイルスブロック)の略称で、ウイルスを不活性化すると同時に、一般雑菌だけでなく死亡事故を引き起こすこともあるセレウス菌やMRSAなど幅広い菌を不活性化する抗ウイルス・抗菌技術。経口毒性、皮膚刺激性などがなく人体に対しても安全で、100度以上の高温でも安定した効果が発揮されるのが特徴。同研究では、同技術を活用した同社の「VBおしぼり」は従来のおしぼりに比べてウイルスの活動が抑制されることも実証、2012年にドバイで行われた創薬・治療国際学会では研究成果の発表も行った。

 同社は2012年から、東京近郊で年間約8000万本出荷するレンタルおしぼりを全てVB加工した「VBおしぼり」として提供。外食産業をはじめ、福祉介護業界などからも高い評価を得、「VBおしぼり」のレンタル売り上げは対前年約110%で推移。年内には増産に対応できるよう、おしぼり新工場の稼働を予定する。

 また、2013年に設立した子会社「VBジャパンテクノロジー」では、東北から九州まで全国15社(2013年9月現在)のおしぼりレンタルの同業者にライセンス提供を実施、およそ3億本以上のおしぼりをVBブランドとして提供。今後は、衛生用品、厨房(ちゅうぼう)用品、幼児向け製品など、幅広い業界へのライセンス提供も視野に入れる。欧米やアジアを中心とした海外での同技術の特許取得も予定する。

 「『おもてなし』のツール、シーンを生み出していくのが当社のミッション。おしぼりからベンチャー精神のあるさまざまな事業を生み出していきたい」と藤波社長。

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