国立市谷保にある社会福祉法人「滝乃川学園」(国立市谷保)で10月23日、「滝乃川学園ガーデンプロジェクト」の説明会が開かれる。主催はNPO法人「くにたち富士見台人間環境キーステーション(KF)」(富士見台1)、NPO法人「みつばち百花」と同学園。
KFは2009年から市民を対象にミツバチと国立市の養蜂に関する講座を開き、2010年からみつばち百花と共同で「ミツバチがつなぐ夢」事業を実施。同受講を経て誕生した市民の養蜂家支援のため、両NPOが中心となって市内の農地に「くにたち蜜源ガーデン」を作っていたが、今年末の閉鎖を控え同学園への移転が決まった。
KFのメンバーで一橋大学法学部2年の渡辺陽大さんは「くにたち蜜源ガーデンの閉鎖は残念でならないが、滝乃川学園への移転は喜ばしい限り。滝乃川学園が参画することによってこの事業も新たな可能性が広がった。今回の移転に伴って、教育・福祉・地域振興などさまざまな面で『ミツバチがつなぐ夢』事業を発展させることができれば」と話す。
同学園は1891(明治24)年に「キリスト教精神に基づき」石井亮一が設立した、日本初の知的障がい児者のための福祉施設。学園内の「石井亮一・筆子記念館」は1928(昭和3)年に竣工された昭和初期を代表する教育建造物で、2002年に滝乃川学園本館として国登録有形文化財指定を受けている。同プロジェクトでは、同学園敷地内の500坪にガーデンを移転する。
みつばち百花代表理事の朝田くに子さんは「超高齢化社会に向かう中で、より一層支え合う社会づくりが必要。植物や生き物と過ごすことは季節の巡りに敏感になり、命の大切さやつながりを身近に感じ、生きる喜びにもなる。私たちは、まさに支え合う心を125年以上つないで来た歴史ある素晴らしい場所で、多くの人が心を寄せる本格的なガーデン作りを目指す。豊かな自然環境を生かし、10年後、20年後にますます心和むような場所にしていきたいと、スタッフの皆さんと夢を語っている」と意欲を見せる。
説明会は3部構成で、第1部では同学園の歴史や現在の状況、課題などの紹介、第2部では同プロジェクトの概要と今後のスケジュールの紹介、第3部では現場見学を予定する。定員100人で、申し込みは電話(TEL 042-573-1141、平日13時~17時)とメールで受け付ける。席に余裕のある場合は、当日参加も受け付ける。
渡辺さんは「森に覆われ敷地内を矢川が流れるすてきな場所で市民の皆さまと一緒に楽しみ、憩い、交流できるコミュニティーガーデンを作り上げることを目指している。参加いただければ」、朝田さんは「既に多様な生物が生きる貴重な空間にできるだけ早くミツバチの巣箱の仲間入りをさせ、多様な人々を受け入れ支え合っていける人間社会を目指すガーデンのシンボルになれるようにと願っている。豊かな自然環境の残る学園へ見学に来ていただければ」と呼び掛ける。
開催時間は13時30分~15時30分。