「昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園」(昭島市昭和の森)が「フォレスト・イン 昭和館」北側の樹林地に6月9日、オープンした。
武藤順九さんはイタリア在住で、彫刻、絵画、石彩などの作品を手掛ける。武藤さんが同ホテルに宿泊した際にこの樹林地を散策し、「武蔵野の自然が残る森に感激し自分の作品を設置したい」と考えたことがきっかけとなって開園に向けた取り組みにつながった。「保全すべき樹林地に、木漏れ日に溶け込むように作品を配置し、自然と共に芸術に触れ合うことができる空間を創造する」ことを趣意に掲げた同園は、昭島市、「昭和飛行機工業」(昭島市田中町)、一般社団法人「風の環(わ)」、「昭和の森芸術文化振興会」の4組織が携わり、「行政、企業、作者が協力して世界に発信する日本で初めてのプロジェクト」とうたう。運営は「昭和の森 芸術文化振興会」。敷地面積は約7000坪。
武藤さんの作品は、2000年にバチカン市国のローマ法王公邸に「風の環・PAX2000」が設置され「抽象彫刻として史上初の快挙」と評されている。その後、2006年に世界平和を象徴するモニュメントとして仏教発祥の地、インド・ブッダガヤのマハボディ大寺院(世界遺産)に「風の環・PAX2005」、2009年にネーティブアメリカンの聖地ワイオミング州デビルスタワー国定公園に「風の環・PAX2008」が永久設置された。同園ではこれらの2分の1モデルをはじめとする大理石彫刻作品9点を展示する。
事務局長の幸田義康さんは「発起人一同は『代官山という緑の空間に自由に鑑賞できる彫刻園を設置することは来訪者の心に潤いとゆとり、大きな感動をもたらし、子どもたちにとって身近に自然と芸術に親しむ環境が整備されることは、感性や想像力豊かな人間性を育む上で大いに寄与するものと確信している』という思いを持っている」と話す。「昭島市の新たなパワースポットとして武蔵野の自然とイタリア大理石の出合いを楽しんでいただければ」とも。
開園時間は7時~日没。入園無料。