東日本大震災を舞台にした映画「星に語りて~Starry Sky~」が「第37回日本映画復興賞」で、日本映画復興奨励賞を受賞した。監督は立川市在住の松本動(ゆるぐ)さん。
同作は、東日本大震災を背景に災害で被災した障がい者と支援者たちの活動を、実話を元に描いた。2月末現在までに、全国400カ所以上で上映会を開き、観客動員数3万3000人を記録。公開から1年近くたつ今も、全国各地で上映会が続いている。
監督の松本さんは映画製作のほか、事件や事故などの事実を再現したテレビのドキュメンタリードラマの演出を数多く手掛けていたことから、製作の「きょうされん」から白羽の矢が立った。「きょうされん」は、障がい者に対する支援をする事業所(働く場、活動の場や生活の場、生活支援センターなどの多様な社会資源)の全国組織で、同作はその40周年記念事業となる。
松本さんは「障がい者福祉へ関心の無い人たちにこそ、ぜひ見てほしい。この映画に携わるまで、恥ずかしながら自分もその一人だった。人は、いつ障がいを持つか分かりません。映画で描かれた真実を知ってもらい、いつどこで起こるか分からない災害に向け、教訓としていただければ」と話す。
今回受賞した賞は、故・山本薩夫監督の呼び掛けにより1983(昭和58)年に設立した「平和と民主主義を守り、戦争に反対し、ヒューマニス?ムの理念に徹した日本映画界の業績」を表彰する映画賞。過去には山田洋次監督、大林宣彦監督、高畑勲監督などのほか、渥美清、三國連太郎、仲代達矢などの俳優や「この世界の片隅に」が受賞している。
「どこの町でも同じかと思うが、私が住む立川市富士見町も高齢化が急速に進んでいる。この映画は災害時に高齢者が置かれる状況も描いているので、健常者だから関係ないと思わず、全ての人が見て、いつ起こるか分からない災害に備える参考にしてほしい」と呼び掛ける。
今後の上映会の予定は、ホームページで確認できる。