小金井市商工会青年部が、SNSなどを通じて不要なマスクの寄付を募り、医療機関や介護施設など、マスクが不足している場所に届ける「マスクバンクプロジェクト」を始めた。
プロジェクトの発案者は、小金井市商工会青年部長の大坪正直さん。
同青年部が例年3月に行っていた地域貢献活動事業のゴミ拾いが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止となり、急きょ事業計画を変更。4月に入り「コロナ対策プロジェクト」を立ち上げた。
マスクバンクプロジェクトは、市内飲食店を支援する「お弁当発信PROJECT」に続き第2弾の施策となる。
発案のきっかけは、マスク不足に悩む医療関係者や介護事業所を営む部員の切実な声を聞いたこと。そこで、余剰のマスクの寄付を市民に呼び掛け、必要としている場所に届けることができないかと部員と共にプロジェクトを企画した。
4月16日、SNSでマスク寄付の呼び掛けを始めたところ、寄付に先駆けて他市の商工会や青年会議所などからの問い合わせが相次いでいるという。プロジェクトは、当初は市民から集めたものを市内の事業所へ、と考えていたが、市をまたいだ関心の高まりに、制限を設けずに広く募集をし、寄付先も広げていく方向に。
大坪さんは「使わないマスクを医療機関などのために寄付したいと思っている人、転売目的でマスクを買い占めたものの後悔している人、政府配布の布マスクを不要とする人などに、余剰のマスクを寄付していただければ」と呼び掛ける。
「東日本大震災時には被災地である東北の人同士で物資などを分け合ったと聞いている。今回のコロナ禍では全ての人が当事者として、お互いに助け合えれば。多くのマスクを集めて寄付したいというよりも、多くの善意を集め、最前線で頑張ってくれている人たちに、その思いを届けたい」と話す。