立川市立第七小学校PTAが、ITグループウエアを使って会員向けのお知らせやスケジュール共有、PTA活動の情報共有を始めて4年目を迎えた。
多くのPTAが紙ベースでの情報交換、学校での話し合い、名簿管理のリスク、ベテランPTAの知識依存、データの管理方法など、現状にそぐわないアナログなシステムが活動に支障をきたしている。同PTAでは2017年度よりITを活用している。
グループウエアとは、企業など組織内のコンピュータネットワークを活用した情報共有のためのシステムソフトウエアのこと。PTA内外の資料の配布と管理、保護者へのお知らせ掲示板、スケジュール管理などにシステムを使用。会員は配布物やお知らせを学年ごとにアプリやPCから確認できるほか、アプリのプッシュ通信機能により「明日は給食無し」などのアラートも受け取れる。
名簿や個人情報を含むファイルは一部役員のみしか閲覧できないようセキュリティーにも配慮し、学校からの配布物を学年ごとに写真でアップしたり、地域情報を掲載したりするなど活用の幅を広げている。台風やコロナ休校中の登校日のお知らせにも役立ったという。
システムを導入した前PTA会長の平沢さんは、タスクが多く疲弊する本部役員、次年度の役員探しに苦労する選考委員などの内情を知り組織を改変。PTA活動は1人1役の係制とし、全体を統括する本部として運営係を各学年2~3人配置し、タスクを効率化と組織のスマート化を図った。
さらに、PTAからのお知らせや組織内の報告に「サイボウズoffice」を導入、現在は、各係からの報告もサイボウズを通じて行い、係の代表者が集まる全体会も年に3回行うのみ。配布物もペーパーレス化し、印刷や印刷物の仕分けからも解放された。
システムの説明や管理をするのは運営係の「サイボウズ担当」。担当の新行内さんは「フルタイムで仕事をしていて会議に出られないとPTAを断っていたが、システム管理なら」と本職のSEの知識も生かして就任した。パワーポイントで会員にシステムの説明を行い、保護者会でも個別に声を掛けて浸透を図った。「PTA本部のためのシステムでなく、ママパパのためのもの。当事意識を持ってもらい、今は良さを知ってもらう時期」と話す。約125の会員全世帯にIDを配布し、コロナで普及が遅れている1年生を除くと98%、1年生を含めても86%がログインできている状況だという。
現PTA会長の五郎谷さんは「今年度は、コロナで4月に開催していた総会が中止となった際も、サイボウズの中で議案書の提示や審議をとることができた。情報共有も即時性があり、運営側も会員の保護者にとってもメリットが大きいと好評を得ている」と話す。「今後は学校側との連携が目標、運営係からのアウトプットだけでなく保護者間の情報共有の場として普及を図っていきたい」と意欲を見せる。