同じ悩みや課題を持つ親子を集めた「ピアサポートおやこ食堂 つながるごはん」が12月から、立川周辺で月2回開催される。主催はNPO法人「ダイバーシティコミュ」(立川市錦町1)。東京都福祉保健財団の「子供が輝く東京・応援事業」の助成金を利用する。
「ちょっと心細い 未就園児」の回のワークショップで作るアドベントカレンダー
同事業は、発達凸凹児、食物アレルギー児、多胎児、ひとり親家庭、未就園児、地域の多世代の6グループを対象に開く。当日は、講座やワークショップで、そのグループ独自の情報提供をした後、現役の保育園の調理員が考案した対象グループに合った弁当を提供する。併せて、当事者の親の会などの地域の支援団体からピアサポーターを招き、他の参加者と共に交流タイムも用意。ピアサポーターは当事者である育児経験者の先輩で、「ピア」は仲間・対等、「サポート」は援助、ピアサポートは「仲間同士の支え合い」を意味する。
同NPOの石橋由美子理事は「一般的な子ども食堂は貧困家庭を中心に、誰でも行ける広く開かれた場所が多いが、マイノリティーな親子はそうした場所に出にくい悩みをもつ方が多いと聞く。例えば、発達凸凹児の親子は、他の親子とコミュニケーションがうまく取れない、食べられるものにこだわりがあるなどで孤立しがち。同じ悩みを持つ親子同士の集まりであれば、安心できる場所が提供できるのでは」と企画への思いを話す。
「マイノリティーな育児環境の場合、行政の支援などの情報が届きにくいため支援につなげにくい現状もある。ピアサポーターとして当事者の親の会などの支援団体に協力してもらうことで適切な情報も届けたい。併せて、そうしたボランティアで活動する支援団体の活動の支援にもつなげられれば」とも。
親子食堂で提供する食事は、みらいのたね保育園(立川市錦町1)が運営協力し、同園に勤務する保育士で調理師の二荒美樹さんが対象グループごとに合わせたメニューを考案・調理し提供。食物アレルギー児のためには、乳・卵・小麦を使わずに栄養を考慮した代替食を使ったメニュー、多胎児やひとり親家庭には時短や作り置き、リメークメニュー、野菜が苦手な発達凸凹児には食感や見た目を工夫したメニューなど。
二荒さんは「一人よりみんなで食べる方がおいしく感じることもあるように、『1人分を作るより、たくさん作る方がおいしくなる』と思いながら毎日保育園で給食を作っている。親子食堂では、それぞれのグループの悩みを考慮した工夫のメニューを考案しレシピも提供。忙しい皆さんの食事作りに取り入れてもらえるよう、シンプルな調味料で作る。おいしいご飯を囲んで、ホッと安らぐ時間にしていただければ」と参加を呼び掛ける。
開催日時は、未就園児の親子=12月8日10時~12時(会場=シーズ立川)、多胎児の親子=12月17日10時~12時(同=武蔵村山市立緑が丘ふれあいセンター)、地域の多世代=1月12日17時30分~19時30分、食物アレルギー児の親子=1月19日10時~12時(以上、シーズ立川)、ひとり親家庭=2月21日10時~12時(武蔵村山市立緑が丘ふれあいセンター)、発達凸凹児の親子=2月25日10時~12時。3月以降も、毎月2グループの食堂を繰り返し開催予定。