NPO法人「くにたち農園の会」が今年も、蚕(かいこ)の飼育を家庭で楽しむ「お蚕フレンズプロジェクト」を始めた。
「お蚕フレンズプロジェクト」 自宅で蚕を育てSNSで共有、ワークショップも
「くにたち はたけんぼ」、古民家「つちのこや」(以上、国立市谷保)を拠点に、子育て支援活動を行っている同NPO。担当の村井里子さんは「国立市の前身の谷保村では戦前は養蚕業が盛んで、村の7割が養蚕業を営んでいた。蚕の飼育をすることで、生き物の生態や歴史、自生する桑など、見えなかったものが見えるようになるのでは」と話す。「コロナ禍で活動が制限されるなか、家庭での1カ月の農体験を楽しんでいただければ」とも。
同会は3年前に準備を始め、昨年は春・秋に開催。約50人の参加者「お蚕フレンズ」が自宅飼育をしながら、SNSでの情報交換や、養蚕農家「八王子長田養蚕」(八王子市加住町)のオンライン見学会、人類学者による勉強会、シルクのアクセサリーを作るワークショップを行ってきた。
参加者は申し込み後、蚕種(さんしゅ=蚕の卵)を長野県上田市の蚕種会社より自宅への直送または「つちのこや」「くにたち はたけんぼ」で受け取り、各家庭で飼育がスタート。お菓子の箱やタッパーなどの箱で、桑の葉または人工飼料を与えて育てると、約1カ月で卵から繭になる。飼育中はフェイスブックの非公開グループで情報交換を行うほか、シルクの専門家による勉強会や繭玉を使ったワークショップを予定している。「はたけんぼ」の桑の「お裾分け」も可能。
「1カ月で小さな蚕種から何倍もの大きさになり、最後はきれいな繭になる。神秘的な体験をぜひ、一緒に楽しんでいただければ」と参加を呼び掛ける。
参加費は、手渡し=3,000円、郵送=3,990円。申し込みは6月5日まで、ホームページで受け付けている。