JR青梅線中神駅前のブックカフェ「マルベリーフィールド」(昭島市中神町、TEL 042-544-3746)が5月下旬、ネットショップを開いた。
コンセプトは「多摩の職人とつながる暮らし」。同店が出合った多摩地域周辺の職人や生産者の営みをホームページで紹介し、「商品を購入することで、作り手の活動を支える」ことを目的とする。
店主の勝澤光さんは、1975(昭和50)年創業の「かつざわ書店」を2008(平成20)年に父から引き継ぎ、2013(平成25)年にブックカフェとしてリニューアル。2019年にオープンした地階のレンタルスペース「ギャラリーM」では、個展やワークショップを開いている。
コロナ禍ではギャラリーを「コワーキングスペース」として活用し、併せて「移動式ブックカフェ」のキッチンカーを製作するなど、歩みを止めずに展開してきた同店。ネットの活用に興味が沸くなか、スタッフから「店とつながりのある多摩で活躍している人を紹介し、作り手を応援する取り組みをしたい」という声が上がった。
「本もギャラリーもお客さんに情報を届ける仕事。本を売るだけではなく、マルベリーが地域の営みを発掘して紹介し、応援の気持ちが購入につながり、活動を支える流れとなれば」という思いから、ネットショップを開設した。
第1弾として紹介するのは、入間市で狭山茶農家の「野村園さんのティーギフト」(ティーバック各10袋=3,500円、送料込み)。父から茶園を引き継いだ野村翔一さんが、茶葉の栽培から、製茶・パッケージデザイン・袋詰めまでを手作業で行っている。減農薬で育てた茶葉を使った「緑茶・ほうじ茶・紅茶」をセットにした同店のオリジナル商品。
「野村さんの茶畑にも何度か訪れて、誠実な人柄や家族で丁寧に作業を行っているなど、お茶の品質も信頼できると感じた」と勝澤さん。「購入した方からは、お茶の香りがいい、お土産にも喜ばれたなど、うれしい声を頂いている」とも。
今後は蜂蜜農家やパン店などとのコラボも思案中。「ネット通販で世界中のものを手軽に買うこともできるが、自分たちのお膝元でいいものを作っている人はたくさんいる。そうした作り手と買う人をつながる場所になれれば」と期待を込める。