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立川のPLAY! MUSEUMで「どうぶつかいぎ展」 8人の作家参加で

会場風景(映像作家の菱川勢一さんが担当した第5幕。左奥は第6幕)

会場風景(映像作家の菱川勢一さんが担当した第5幕。左奥は第6幕)

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 ドイツの詩人・作家のエーリヒ・ケストナーの絵本「動物会議」をテーマにした展覧会「どうぶつかいぎ展」が立川の「PLAY! MUSEUM」(立川市緑町3)で2月5日から開かれている。

作品の前で話す絵本作家のヨシタケシンスケさん

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 同書は戦争をやめようとしない愚かな人間を痛烈に批判する内容で、第2次世界大戦後の1949年にヴァルター・トリアーの挿絵で世に出された。今回は「ケストナーとトリアーが絵本に込めた普遍的なテーマを引き継ぎ展覧会で伝える」とし、複製原画20点を展示するほか、物語を8つの幕に分けて8人の作家が作品を制作した。

 参加したのは絵本作家のヨシタケシンスケさん、画家のjunaida(じゅないだ)さん、映像作家の菱川勢一さん、現代美術家の鴻池朋子さん、アニメーション作家の村田朋泰さん、ぬいぐるみ作家の梅津恭子さん、イラストレーターの秦直也さん、造形作家の植田楽さんの8人。

 4日にはメディア向けに内覧会が開かれ、ヨシタケさんら6人の作家が登壇した。同館プロデューサーの草刈大介さんは「PLAY! MUSEUMは大人も子どもも気軽に訪れ、自由に発言できる民主的な場所にしたいと思っている。今回の展覧会にはそんな思いを込めている」と話した。

 その後、各作家が自分の作品の前でそこに込めた思いや感想などを紹介した。秦さんは同展のために描いた80点を含む110点を出展し、植田さんは紙とセロハンテープを使って制作した動物86点をビルに見立てた棚に並べた。菱川さんが担当したコーナーは、動物を模した大きな球体が並び鳴き声のような音が聞こえるなど、視覚や聴覚で楽しめる工夫がされていた。菱川さんは「他の方の作品は事前に分からないので、楽しみながら設営したのも合同展の醍醐味(だいごみ)」と振り返った。junaidaさんは「ケストナーの声を代弁するのに情報を広めるポスターがぴったりだと思った」と話した。

 ヨシタケさんは同書について伝えるイラスト「ケストナーとトリアー 動物会議ができるまで」と、「勝手に考えた」と題した「動物会議の最終日」を描いた。ヨシタケさんは「刺激的ともいえる話の内容や絵のかわいらしさなど、いろいろな楽しみ方ができる作品。会場でもいろんな捉え方、楽しみ方ができるところも含めて懐の深い作品なのでその幅がすごくいい展覧会」と見どころを紹介した。

 開館時間は10時~18時(平日は17時まで、入館は閉館30分前まで)。2月27日休館。入館料は、一般=1,500円、大学生=1,000円、高校生=800円、中・小学生=500円(立川市在住・在学者割引あり)、未就学児無料。4月10日まで。

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