昭島のクラフトビール醸造所「イサナブルーイング&ロースタリー」(昭島市昭和町2)が現在、缶ビールの製造を手掛けるため、クラウドファンディングで支援を呼び掛けている。
昭島駅南口に2018(平成31)年5月、クラフトビールと自家焙煎(ばいせん)のコーヒーを提供する店としてオープンした同店。同店のクラフトビールは醸造所に併設の飲食店(ブルーパブ)やイベントのみで提供していたが、「缶ビールを製造することで多くの人に飲んでもらえるようにしたい」という思いからクラウドファンディングでの支援を呼び掛ける。
社長の千田恭弘さんは「2年前に店舗裏に空きができ、製造量を増やすため店舗を新たに増築。そんな時にコロナ禍になり、ビールフェスのようなイベントが全く無くなり、店舗での営業も縮小され、ビールの消費量が激減。製造量を増やすために増築したのが、このままでは難しいとの判断をし、缶ビールの製造を先に手掛けることにした」と経緯を話す。
「瓶ビールではなく缶ビールにした理由は『瓶に比べて軽いため何本でも気軽に持ち帰れる』『瓶より遮光性が高いので鮮度が保てる』『栓抜きいらずで、気軽に飲め、廃棄時には缶はつぶせるのでかさばりにくい』など利点が多い」とも。
ビールは350ミリリットル缶で、少量多品種を製造する予定。リターンは、イラストレーターTOAさんのオリジナルデザイン製缶記念限定のサコッシュ、トートバック、Tシャツのほか、缶ビール6缶とイサナグッズをセットにしたものを用意。発売に先駆け、リターンで13種類のユニークなビールを製造する。
リターンには以下の13種類からランダムで3種類以上のものが6缶入る。「THIRD IMPACT」「吟醸ヴァイツェン-嘉泉-」「吟醸ヴァイツェン-吟ぎんが-」「Zebra Udon Dashi Ale」「M.I.B」「拝島天神梅霞」「KING GHIDO LAGER」「いちご大福サワー」「よりもい」「闇黒は太陽を遮る万有引力の地へ」「恋焦がれスタウト」「猪突猛進2021」「猪突猛進2022」。リターンの発送が終了する4月頃の一般発売を予定する。
メカニカルエンジニアとして10年間社会人経験を送った後に醸造の世界へ飛び込んだ千田さん。都内唯一の深層地下水を水道水とする昭島の「おいしい」水を使い、技術者としての実験、研究を繰り返してユニークなクラフトビールを開発している。
千田さんは「『苦いもので笑顔にする』の経営理念の下、他社で造っていないような面白いスタイルのビールを発信し、驚きを楽しんでほしい。店とイベントでしか飲めなかった弊社のビールを、ビアバーや醸造所に行く機会がない人にも缶ビールにすることで、気軽にいろいろ人に飲んでいただいて興味を持っていただければ」と支援を呼び掛ける。
クラウドファンディングは3月3日まで。