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国立の高校生が多機能メークブラシ開発 利益を市に寄付、市長から感謝状

「多機能メークブラシ」を開発した第五商業高校の生徒たち

「多機能メークブラシ」を開発した第五商業高校の生徒たち

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 都立第五商業高校(国立市中3)の生徒たちが「高校生模擬起業グランプリ」の参加を通じて開発・販売した「多機能メークブラシ」の販売利益を市へ寄付し、3月3日、国立市長から感謝状が贈られた。

国立市の永見市長から感謝状を受け取る生徒たち

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 「ビジネスアイデア」の授業の一環で、生徒自ら商品企画から開発、資金調達、販売まで行った同商品。高校生模擬起業グランプリ金賞、高校生ビジネスプラングランプリのセミファイナリスト賞を受賞するなどの成績を収めた。

 昨年9月に完成し、ネットでの販売と国立駅の商業施設「nonowa(ノノワ)」で自ら店頭に立って対面販売し、450本を売り上げた。その販売利益14万円を今回、国立市へ寄付した。

 石田耕士副校長は「生徒たちはこの活動を通してさまざまなことを学んだが、特に地域の方々の支援、応援、声援にとても励まされ、絆を感じたという。絆を感じる中で『私たちにできることを』と考え、国立市へ寄付するに至った」と経緯を話す。

 同品は、昭和の時代に流行した「ロケット鉛筆」をヒントに開発し、アイシャドーチップ・アイブローブラシ・アイシャドーブラシ・アイラインブラシの4種類のパーツを、使うパーツを先端にしてつなげて一本のペン型にして使う多機能型メークブラシ。キャップを付けることで携帯時も衛生的でコンパクトになるほか、つなげることで長くなり持ちやすく使いやすくなるため、一般的な携帯用のメークブラシのデメリットを解消するという。

 ビジネス科3年生の井手真綾さん(社長)、石川美咲さん(経理)、金井美那さん(広報・仕入れ)、藤崎由芽さん(広報)、湊琉依さん(デザイン)の5人が、それぞれ役職をつけ担当。商品名も5人の名前のイニシャルから取り、「MIRY(美麗=みれい)」とした。製造会社をネットから検索し自ら交渉のメールや電話、資金調達もクラウドファンディングを成功させるなど、生徒たちの力で開発から販売までを行った。

 社長役の井出真綾さんは「ただ高校生やっていただけでは絶対に経験しなかっただろうということをたくさん経験できた。社会人の方とのやり取りの仕方や、ものを売るための必要な過程や努力がこんなに大変なんだということを知ることができた。仕事はつながりが無いと何もできないことも分かった。4月から国立市内の企業に就職するが、社内だけではなく、地域の方とのつながり、商品の裏側にいる人たちの努力を大切にしながら、仕事に生かせれば」と意気込む。

 同品は現在、国立市のふるさと納税の返戻品として扱われている。

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