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立川で初の歌舞伎公演 市川青虎さんが宙乗りのロングライド 、桜吹雪も

市川團子さん、中村壱太郎さんが作品を解説、立飛グループのキャラクター「たっぴくん」「たっぴちゃん」が登場し記念撮影を楽しんだ

市川團子さん、中村壱太郎さんが作品を解説、立飛グループのキャラクター「たっぴくん」「たっぴちゃん」が登場し記念撮影を楽しんだ

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 「立川立飛歌舞伎特別公演」が10月26日、グリーンスプリングス(立川市緑町3)の音楽ホール「立川ステージガーデン」で始まった。

歌舞伎仕様に様変わりした「立川ステージガーデン」

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 演目は、歌舞伎三大名作の一つ「義経千本桜」から佐藤忠信にスポットを当てた「忠信(ただのぶ)編」。同作品は全5段のうち、「伏見稲荷鳥居前(ふしみいなりとりいまえ)」「道行初音旅(みちゆきはつねたび)」「川面法眼館(かわつらほうげんやかた)」の3段で構成し、佐藤忠信役を中村鷹之資さん、市川團子さん、市川青虎さんが、静御前役を中村壱太郎さん、横川覚範役を市川中車さんが演じた。

 開演前には、市川中車さんが「稽古で立川駅から会場まで歩いて通ったが、気持ちよく整備されていて驚いた。立川に歌舞伎が根づいて、定期的に行われればありがたい」とあいさつをした。続いて、市川團子さん、中村壱太郎さんが作品を解説、立飛グループのキャラクター「たっぴくん」「たっぴちゃん」が登場し記念撮影を楽しんだ。中車さんの長男で先月亡くなった市川猿翁さんの孫である團子さんは「本作は祖父の思い入れの深い作品。『立川歌舞伎特別バージョン』の幕切れ演出で祖父を忍びたい」と第一幕につないだ。

 会場は、入り口前には出演者の名前が入ったのぼり旗を掲げ、ロビーでは弁当や歌舞伎グッズを販売、ホールは赤いちょうちんで縁取り、客席脇には花道を設け、ステージにはオリジナルの幕をかけるなど、歌舞伎仕様に様変わり。クライマックスでは、市川青虎さんが演じる忠信が宙乗りで客席を斜め横断し、ホール内には桜吹雪が舞うと、「澤瀉屋(おもだかや)」の屋号が呼びかけられ、会場は盛り上がりを見せた。

 会場を訪れた、前国文学研究資料館(緑町)館長で日本文学研究者のロバート・キャンベルさんは「会場に歌舞伎がすごく合う。一時閉場する国立劇場に代わる拠点になると思う。今まで歌舞伎を見る機会がなかった若い人が見たり、歌舞伎ファンが立川を訪れたりする機会にもなると思う」と話す。

 今回の公演は、2024年で創立100周年を迎える立飛グループの記念事業の一環。「立川と世界を紡ぐ」をコンセプトに、スポーツや音楽イベントを企画し、文化・スポーツに生で触れる体験を提供してきた同社。公演後、村山正道社長は「念願だった歌舞伎を迎えることができ、スケールも大きく、ホールにも合って素晴らしかった。来年は歌舞伎やミュージカルも企画しているので楽しんでいただければ」と呼びかけた。

 今月28日まで。

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