創英社(立川市若葉町)は11月27日、水野美紀さんと楠野一郎さんの共著である「プロペラ犬の育て方」を発行した。
水野さんは「踊る大捜査線」や「ビューテイフル・ライフ」など数々のヒットドラマや映画に出演していた人気女優。もともとは「舞台」志向で、2002年に劇団☆新感線の「アテルイ」に出演した際、舞台への思いが再燃。その後、それまで所属していた大手芸能プロダクションを辞め、個人事務所を設立。2007年に脚本家の楠野さんと満を持して演劇ユニット「プロペラ犬」を旗揚げ。水野さんは、看板女優であるとともに、主宰者として、劇場の確保、共演者や演出家への交渉、劇場で配布するチラシまで自らの手で制作している。同社サイトで演劇エッセー「新人舞台女優奮闘記」を連載中。
「テレビの人気者が鳴り物入りで舞台に出演するケースは多いが、水野さんの場合は、その逆で非常に珍しいケース。『心底「チャレンジしたい」と思えるものに突き進める時ほど底力が出ることってないと思う。自分の底力を信じて今は突き進むだけです!』(同書から引用)と、リスクを省みず、まっすぐ進む水野さんのある意味無謀ともいえるチャレンジを本としてまとめたいと思い、お二人に出版化を打診した。当初は固辞されたが、この劇団ユニットのチャレンジは自分の思いを形にしたいと思う多くの人たちに勇気を与えると考え、出版化に至った」(同社編集担当)。
同書の内容は、2人のブログから抜粋した文章に対して本人たちが突っ込みをいれるという趣旨での対談をメーンに掲載。ブログでは書けなかったエピソードも多く語られている。また、楠野さんが旗揚げ公演の「マイルドにしぬ」の映像を見返して書き起こした再録版も掲載。「この再録版は、楠野さん独特の笑いの世界が描かれた読み物として楽しんでいただける」(同)とも。そのほか、共演の河原雅彦さん、演出の入江雅人さんによる「プロペラ犬」に対するエッセーも掲載。巻頭には、旗揚げ公演の舞台写真を中心に、本文には初公開写真を多数収録した。
「カバーデザインにも注目してほしい。お二人の強力な推薦もあり、『プロペラ犬』の舞台美術なども担当している『快快(ファイファイ)』というパフォーマーとしても注目を集めているチームの天野史朗さんにお願いした」(同)。
「発行から2週間程度が経過したが、水野さんのナチュラルな生き方に共感する女性からの反応が多い。すでに、第2弾の刊行を望む要望も寄せられている。演劇や創作に興味をもっている人はもちろん、最近、水野さんをテレビで見かけないけれどどうしたんだろうと思っている人に、ぜひ『水野美紀さんは今こんなことになっている』ということを知ってもらいたい。とにかく、水野さんの前向きで旺盛なパワーを感じていただければ」(同)とも。
価格は1,400円。