
「立川立飛歌舞伎特別公演」に先駆けた開幕記念お披露目会が10月19日、緑町公園(立川市緑町4)で開かれた。
「神輿(みこし)愛好会 立川同心會(かい)」が先導し、歌舞伎俳優たちが立川ステージガーデン(緑町3)前から公園特設ステージまでサンサンロードを練り歩き、沿道と会場には5000人が詰めかけた。登場したのは、市川中車さん、中村壱太郎さん、市川團子さん、市川猿弥さん、市川笑也さん、市川笑三郎さん、市川青虎さんの7人。推しうちわやアクリルスタンドを手にしたファンの姿も見られ、早い人は朝6時半から並んだという。
市川中車さんは「演目の『新説 小栗判官』は澤瀉屋(おもだかや)にとってゆかりの深い作品。一昨年は未成年だった長男(市川團子)が、今年は21歳の成人となり主演を務める。立川での特別な舞台を楽しんでいただければ」と話した。
今年で3回目を迎える「立川立飛歌舞伎特別公演」は、立飛グループ創立100周年記念事業の一環で10月23日~26日の4日間、立川ステージガーデンで開かれる。全5公演のチケットは既に完売。市川猿弥さんは「『映画 国宝』の影響もあり、歌舞伎が盛り上がっているのを感じる」と会場の熱気に目を細めた。
演目は「連獅子」「新説 小栗判官」の2本立て。「連獅子」では親子の情愛を描いた舞踊が披露され、親獅子の精を尾上右近さん、仔獅子の精を藤間康詞さんが務める。「新説 小栗判官」は、三代目市川猿之助(二世市川猿翁)による「當世流小栗判官」を元に、藤間勘十郎さんが脚本・演出・振り付けを手がけた新作。
中村壱太郎さん、尾上右近さん、市川團子さんの3人による高さ12メートルの宙乗りも見どころの一つ。壱太郎さんは「立川ステージガーデンの宙乗りは世界で一番の高さ。お客さまが入ると気持ちがいい」と話し、「未来の歌舞伎を築いていく仲間がたくさん出演する。挑戦する心を持って、今年も精いっぱい務めさせていただく」と意気込みを見せた。
主演を務める市川團子さんは「この演目は祖父(市川猿翁)が復活した数ある作品の中でも特に大切にしていた一作。覚悟と情熱をもって臨みたい」と話し、「成人を迎え、少し成長した姿をお見せできれば」と力を込めた。