くにたち郷土文化館(国立市谷保、TEL 042-576-0211)に1月末、「ミニミニ水族館」が開設された。
この常設展示コーナーは、多摩川本流と支流の矢川、府中用水、わき水、田んぼなど、周辺水域に生息する生き物を環境別に6つの水槽に分類し、展示するもの。東京農工大水質源計画研究室の西田一也さんの協力と指導の下で集められたのは、16種類約50匹の生物。
田んぼ・用水からは、フナ、タモロコ、オイカワ、絶滅危惧種のカマツカなどを採取した。わき水から採取・飼育しているのは、同様に絶滅が危惧されるアブラハヤやホトケドジョウなど。そのほか川にすむアメリカザリガニやカワエビ、琵琶湖でアユの稚魚を放流した際に混在し、関東水域に流れ着いたと考えられるカワムツ、タカハヤなどの外来種なども展示する。同館の平林館長は「多摩側水域に多く生息するナマズに関しては、生態系の中で食物連鎖の上位にあるため、他の魚の安全を図って、まだ飼育していないが、将来的に展示することを検討している」と話す。
「親子連れの方が多く来館し、水槽をのぞき込んでは、地元にこんなにさまざまな種類の魚が居ることに驚いたという感想を寄せてくださる」と同館長。「多くの方に、自分たちの住んでいる身近な用水に広がっている自然に気付き、環境を大切にする気持ちを抱いていただけたら」とも。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。第2・4木曜休館。観覧無料。