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国立で手回し活動写真上映会-現存の日本最古劇場公開アニメも

説明をする松本さんと映写機の下で作業をする尼口さん

説明をする松本さんと映写機の下で作業をする尼口さん

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 1月12、13日に「国立○ミ(まるみ)」(国立市中1)で、「玩具フィルム手回し活動写真上映会 Vol.1(カツ上1)」が行われた。

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 「国立○ミ」は、「『移ろい変わってゆくいろいろな物・事』を皆さまにご覧いただき、手にとっていただけるような場所になることを目指し」(店主の福田さん)、約2カ月かけて自分たちで内装を仕上げ、昨年11月20日にオープンした。

 第1回の企画「クサキタケツルカワハナハミマルワ展」では、70歳の二名良日さんが作るさまざまな植物の「輪」(wreath)を展示。「植物の種類は35種類以上に及び、多くの方々にご覧いただきお座りいただいた」と福田さん。

 第2回の企画として行われたのが「カツ上1」。上映技師・活動弁士の松本夏樹さんの長年にわたる映像関係の品の収集エピソードや膨大な量のアニメーションフィルムの存在を知り、上映を依頼した。「100年近く前の日本人が見ていたもの。とても『人間臭』を感じ、大切にしたい『暑苦しさ』があるように思う」と福田さんは魅力を話す。

 玩具フィルムは、大正から昭和初期に映画館が上映済みの映画を短く切って販売したフィルムや、玩具会社が作った短いアニメを玩具の手回し映写機と共に子供たちに販売したもの。当時は活動写真と呼ばれ音声はなく、活動弁士が説明を付けた。

 同上映会では当時と同じように、手回し映写機で松本さんと活動弁士の尼口優樹さんがせりふを付けながら上映。1917(大正6)年に作られた現存する日本最古の劇場公開アニメ作品「なまくら刀」のほか、「血煙高田馬場」、アニメ3作品「あっぱれガル助」「只野凡児(ただのぼんじ)東京見物」「カチカチ山」などが上映された。

 上映後、活動写真を初めて目にした参加者からは質問が相次ぎ、松本さんが18歳の時、骨董(こっとう)市で映写機に出会い衝撃を受けたこと、フィルムは冷蔵での保存が必要であること、一部を大学に寄贈したものの現在でも約300本所有していることなどが紹介された。映写機の手回しを体験した参加者は「力のいる作業。貴重なものに触れられてよかった」と話した。

 「カツ上」は「国立○ミ」で夏季を除いて定期的に開催予定。次回「カツ上2」は作品を替えて4月頃を予定。

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