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国分寺のギャラリー「丘の上APT」で「ボロコラージュ」展 1周年記念に

展示の様子

展示の様子

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 国分寺のギャラリー「丘の上APT」(国分寺市泉町 1)で現在、開廊1周年記念展「INDIGO BOROCOLLAGE-時の意味するもの-」が開かれている。

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 インディゴは青藍色の不溶性染料で、今回展示するのは、寝具、夜着、野良着など約30点。兒嶋画廊の兒嶋さんは「1反の布地を買うことのできなかった貧しい人々は、藍で染められた端切れを1枚ずつ継ぎはぎ重ね合わせながら労働着や夜具を家族のために作ってきた。アートとして捉えようとする人、祖霊に語りかける人、それぞれの方のそれぞれの鏡に写し出されるボロの姿は田毎の月のようにも思える」と話す。

 「2015年のギャラリーの展示コンセプトは『時』。時の問題は古来、哲学者の永遠のテーマ。画廊を国分寺に回帰して1周年にふさわしい展覧会として『Indigo Borocollage』を選んだ。すり減り手繕いされた生活用布の美しさを探る中に、人間の行為に加え、時間の要素が重要な意味を持つと感じている。生活自体がさまざまな用具を削り摩耗させていく様は、人類が地球に暮らしながら環境を破壊してゆく様と相似しているように思える」と兒嶋さん。

 「ボロと土」と題し同ギャラリーを設計した、建築家で建築史家の藤森照信さんは「兒嶋さんが長らく収集してきたボロい作業着を手にした時、不思議な感覚がした。きれいとか汚いとか、素晴らしいとかイマイチとかの印象が湧かず、しかし、心が安らぐ。手にしたボロ着の色とか糸の縫い目とかを追っていると、まるで土をこねている時のように言葉が消えていく」と言葉を寄せる。

 兒嶋さんは「今まで温めてきたものを一気にエグゾーストした感があり、思いもかけない1年となった。思いがけないほど多くの方々に来廊いただき感動している」と1年を振り返り、「今夏からは皆さまに日常の何かが変わるエネルギーをお求めいただく企画も予定する」と意欲を見せる。

 開催時間は12時~18時。月曜定休。6月21日まで。

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