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小平市在住・岩田壮平さんが日経日本画大賞 花泥棒テーマに10メートルの大作

岩田壮平さんと大賞受賞作の「雪月花時最憶君-花泥棒」

岩田壮平さんと大賞受賞作の「雪月花時最憶君-花泥棒」

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 「第6回東山魁夷記念 日経日本画大賞」の授賞式が5月27日に行われ、小平市在住で国分寺市にアトリエを持つ岩田壮平さんの「雪月花時最憶君-花泥棒」が大賞を受けた。

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 日本画家の故東山魁夷の業績をたたえ、21世紀を担う日本画家を表彰するために2002年に創設された同賞は、受賞時に満55歳以下の日本画作品を描く画家が対象。約50人の推薦委員が推薦した48作家の51作品から6人の選考委員による第1次選考で30点が入選に、その中から最終選考で大賞が決定した。賞金は500万円。最後まで大賞候補に残ったマツダジュンイチさんの「刻」と谷保玲奈さんの「繰り返される呼吸」が選考委員特別賞に選ばれた。

 岩田さんは1978(昭和53)年愛知県生まれ。2002年金沢美術工芸大学大学院修了。現在、小平市在住。武蔵野美術大学で非常勤講師を務める。1981(昭和56)年から華道池坊に入門し、日本画への道を選ぶ95年まで生け花に携わった。2001年から毎年日展に出品し、05年、10年特選に。現在委嘱。日経日本画大賞は2008年の第4回、12年の第5回で入選。鮮烈な色彩と装飾性の高い大胆な構図の作品で知られる。

 受賞作は06年から追求してきた花泥棒シリーズの最新作。「生け花を始めた3つのころから大学に進み日本画に転向した後も、花の中に流れる命を表現したいと思ってきた。たらし込みの技法で血や命を注ぐように絵の具を流し込み、自然の力が作用して発色し、花の中に命を巡らせ、自分が生きている今を表現できたら」と岩田さん。受賞は「これからも好きな絵を描いていっていいと後押しされたようでありがたい」と喜びを語った。

 選考委員長で大原美術館館長の高階秀爾さんは「伝統的な技法を駆使しながら、思い切った近接視点で大画面を見事に作り出した。花に対する伝統を踏まえた思い入れを新しい形で表現している」と高く評価した。

 入選、受賞作は現在、東京の上野の森美術館(台東区)で展示中。開館時間は10時~17時。会期中無休。入館料は一般500円、大学生300円、高校生以下無料。6月7日まで。

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