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国分寺のギャラリー「丘の上APT」で「タッツケ展」-趣向を凝らした展示も

外壁にも展示するなど、展示に趣向を凝らす

外壁にも展示するなど、展示に趣向を凝らす

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 国分寺のギャラリー「丘の上APT」(国分寺市泉町1)で現在、たっつけ(裁着・袴のような作業着)を紹介する「タッツケ展」が 開かれている。

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 会場には、たっつけ21着とつぎはぎの足袋や藍染めの襤褸(らんる・使い古して役に立たなくなった布)敷物などが並ぶ。オーナーの兒嶋俊郎さんは「マグネットを使って鉄板に貼ったり、コンクリート台座に竹や曲がった木などで固定したり、太いダクトにかぶせる、空中に浮かすなど思いつく限りに挑んだ展示方法を楽しんでほしい」と意気込む。

 兒嶋さんは同展にかける思いを、「たっつけはもとより、今も私たちが日常的にはいているズボン・パンツ・パンタロンなど、2本の足をいかに収納し、機能性を高め、なおかつ格好良く見せるなど、はき物の歴史が学べる古くかつ新しいもの。ボタンもファスナーもなかった時代、男も女も野良で用を足さなければならず、愛も交わさなければならなかったことを思うと、その姿の中にユーモアとペーソス(哀愁)を探して余りあるものがある。そんな思いを、ダダイズム(1910年代半ばに起こった芸術思想・芸術運動)的に不敵にユーモラスに紹介したい」と話す。

 デザイン評論家で武蔵野美術大学教授の柏木博さんは「使い込まれ、年を経ることで、ものは美しさを見せる。使い続けられてきたものには、それが生きてきた時間が生み出した痕跡が残されており、それを美しいと感じるのは、見る人の美意識のあり方を映し出している。労働着としての役割を終えた、たっつけを美しい布として見立て、全く新しい作品として位置づけている」と感想を寄せる。

 兒嶋さんは「試着しての写真撮影もオーケー。来て見て触っていただければ」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は12時~18時。月曜定休。入場無料。8月31日まで。

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