立川の富士見町団地(立川市富士見町6)の広場で12月1日、新党日本代表・参議院議員・田中康夫さんと、パリ発祥のイベント「隣人祭り」の発起人であり、現パリ17区長・アタナーズ・ペリファンさんの対談シンポジウムの緊急開催が決まり、現在、参加を呼びかけている。
「隣人祭り」は1999年、パリの集合住宅で起きた高齢者の孤独死がきっかけで始まった。同じアパートに住んでいた地方議員のペリファンさんは、「近所付き合いがあれば、防げた事態だったかもしれない」との思いから、地域住民らが食べ物や飲み物を持ち寄って交流を深めるイベントを企画・開催した。
その後、活動は欧州を中心に広まり、これまでに約30カ国、800万人が参加している。日本では今年5月、新宿区のマンション住民らによって初開催され、雑誌「ソトコト」で取り上げられたことが反響を呼び、6月に「隣人祭り・日本支部」(中央区)が発足した。「地域交流のきっかけを作る」こと以外に特別な決まり事はないが、無償で参加できるのが原則だという。
同団地・管理組合理事の鈴木さんは「近所付き合いの希薄化、団地住民の高齢化などは自分たちにとっても身近な問題。このイベントを開くことで住民の横のつながりを強め、一人暮らしの高齢者が孤立してしまう状況を改善できるのでは」と、同イベントの開催を理事会に提案し、今月23日、同団地広場で「ふじみ隣人祭り」を開催した。約200人の参加者が持ち寄り形式で飲食を楽しんだほか、バイオリンとギターのミニコンサート、フリーマーケットや野菜の直売も行った。鈴木さんは、「住民から寄せられた感想や反省点などを生かし、今後も定期的に開きたい」と今後の活動にも意欲を見せる。
「意外な展開」(鈴木さん)があったのは、イベント開催直後。「隣人祭り」PRのために来日しているペリファンさんと、同活動に関心を寄せる田中さんの「緊急対談」場所として、多摩地区で初開催となった同団地の広場が選ばれた。「日本の未来を変える隣人社会の再構築」というテーマで行われる対談では、無差別殺人や高齢者の孤独死、育児の孤立・虐待、いじめなど、現代社会の抱える問題に共通する「他者とのつながり」について再考し、話し合う予定。
「立川市民のみならず、地域社会やつながり問題について関心を持つ方ならどなたでも参加できる。質疑応答の時間も設けるので、ぜひ多くの方に参加していただきたい」(鈴木さん)。
開催時間は12時~。詳細の問い合わせは「隣人祭り・日本支部」(TEL 03-3549-1865)まで。