国立で「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会-人型付箋にメッセージも

ペーパーパレードで使用する人型の付箋。当日はチャリティー販売も。

ペーパーパレードで使用する人型の付箋。当日はチャリティー販売も。

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 一橋大学兼松講堂(国立市中2)で7月6日、映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会と併せて「ペーパーパレード」が開催される。

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 同作品は「ヒバクシャ 世界の終わりに」「六ヶ所村ラプソディー」に続き鎌仲ひとみ監督が手掛けた長編ドキュメンタリー作品。瀬戸内海に臨む山口県上関町の原発建設計画に向き合う祝島の住民と、解決の糸口を探すために、電力を自由化し地域自立型の自然エネルギーへとかじを切るスウェーデンの持続可能な社会のための試みを描いた映画。当日は鎌仲さんによる講演会も行う。

 同時開催される「ペーパーパレード」は、デザイナーの坂東真奈さんと金子泰明さんによるユニット「BAO design」が企画。ペーパーパレードとは、人型の付箋にメッセージを書き込み「自分たちの意思を静かに、確実に伝える」ワークショップ。

 「福島第一原発事故の惨状を見て、原発の怖さを初めて知ったと同時に、今まで無関心だったことや自分の無知さによって招いたことでもあるのだということを痛感した。そこで何か意思表示をしようとデモ行進も考えたが、ストレートに個人の意志を表現する西洋的な表現方法に思え、日本人らしい意志表示の方法を模索したところ、紙に書いて思いを伝えていく付箋の機能を重ね合わせてこのアイデアを思いついた」と坂東さん。「私たちデザイナーが原発の問題に対して何か具体的にできるわけではないが、一人ひとりの小さな声を伝え、対話ができるコミュニケーション方法をつくることがデザイナーとしてできることでは」とも。

 当日は、上映会入場時に配布するチラシに付箋を添付し、上映・講演後に未来のエネルギーに対するメッセージを書き込み、出口のボードに貼ってもらう。付箋は、ペーパーパレードだけでなく、日常にも使用できる「プライベートメッセージツール」としてチャリティー販売。売り上げの一部は、福島第一原発で被害を受けた人々への義援金として活用する。

 「エネルギーに対して特別な知識が無くても、原発の問題に対して思っていることや生活の中でエネルギーの工夫をしていることなどエネルギー問題に対して今考えていることを、このペーパーパレードにのせて発信してほしい。ペーパーパレードで他の人の意見やアイデアを見ることで、何かのきっかけになることもあるのでは」と坂東さん。ペーパーパレードと付箋の販売は今後も継続的に行う。「今回のワークショップをきっかけに少しずつこの活動が広がってほしい」

 上映会は17時30分~。鎌仲さんの講演は20時~。入場料500円(予約不要)。当日は節電のため冷房を使用しない。

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