「箱」をテーマに38人のオープンアトリエ展-モノづくりの現場も公開

写真は群馬直美さんの作品「箱男と箱入り娘の結婚」(前)と「MIMIZUKU NO MORI」(後ろ)

写真は群馬直美さんの作品「箱男と箱入り娘の結婚」(前)と「MIMIZUKU NO MORI」(後ろ)

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 さまざまな分野のアーティストの拠点として知られる「石田倉庫」(立川市富士見町2)で10月13日・14日、オープンアトリエ展「石田倉庫のアートな二日間」が行われ家族連れやカップルなど大勢の人でにぎわった。

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 会場となる通称「石田倉庫」は、井戸工事会社「石田産業」(同所)の敷地内にある2階建て倉庫2棟とビル1棟で、24年前、同社の石田隆一会長が小麦粉保管庫を芸大の学生にアトリエとして貸したことが始まり。現在は、現代美術作家・版画家・鍛冶屋・家具屋・陶芸家・美術造形屋など20人がアトリエを構える。

 2005年から始まった同イベントは、「そもそもは、それぞれの作品の在庫市をしようとしたのが始まり」(「家具屋・木とり」山上一郎さん)だったが、新聞などの報道の反響が大きく、急きょ、展示法なども工夫して1回目を開催したという。

 4回目となる今年は、同所にアトリエを持たないアーティストらも加わり、総勢38人が参加。初めて共通テーマ(=「箱・はこ・ハコ」)を持ち、それぞれがテーマに合わせて制作に取り組んだ。作品の展示・販売だけでなく、それぞれのアトリエやモノづくりの現場も一般に公開した。このほか、焼き鳥、カレー、パンなど、飲食の屋台もあり、会場は終日にぎわった。

 来場者からは「近所にこんなアートの場があるなんて知らなかった。それぞれが個性を発揮していて面白い」「普段見られない制作の実演が見られたのが楽しかった」「食べ物も本格的でおいしい」など好評で、出展者からも「不特定多数の方からの意見や反応が聞ける。個展に来る方の意見とはまた違って刺激になる」(現代美術・ながはま悦子さん)、「ここにアトリエはないが、参加することで多くの人の意見が聞けて参考になるし、モノづくりをしている者同士いろいろ話ができる」(金工・七宝・平林明子さん)などの声が聞かれた。

 イベントの来場者は毎回2,000人を超え、今後も継続する予定だが、「今後はそれぞれの得意分野を生かして、来場してくださった方が、見るだけでなく、ものづくりに参加できる、参加型のイベントを考えていきたい」(山上さん)と話している。

石田倉庫

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