立川の昭和記念公園で6月1日、作家・倉本聰さんが塾長を務める「富良野自然塾」(専用TEL 042-528-7005)が開校した。
富良野自然塾は、2005年の北海道・富良野プリンスホテルのゴルフコース閉鎖に伴い、34ヘクタールの跡地に植樹を行うことで元の森への再生を目指したいという倉本さんの呼び掛けで始まった。現在、同塾ではその自然返還事業に加え、森林再生の場を中心として「地球」「五感」をキーワードに体感できる環境教育事業を行い、東京校ではこの「環境教育プログラム」を用意する。倉本さんは「環境先進国であるドイツにも視察に行った。科学者が使うような数字を使ったピンとこない説明ではなく、心に落ちる言葉で分かりやすく説明したいと1年半かけてシナリオを作った」と説明する。
プログラムは、酸素と水を提供する葉の大切さを教える「緑の教室」、視覚を封じて五感の別の感覚を研ぎ澄ます「裸足(はだし)の道」、環境問題の基本である地球について学ぶ「1mの地球」、460mの距離に置き換えられた46億年の地球の歴史を歩きながら学び、人類の「してしまった」ことを学ぶ「46億年・地球の道」の4つから成る。1カ月の富良野での研修を経て、東京校のインストラクターを務める小畑すみれさんは「どうすれば伝えられるかを考えている。(環境問題を)知っていただくことが大事なので、その機会になれば」と話す。
これまで今治・京都・北九州で実施され、今回が首都圏初の開校となる。倉本さんは「1300万人の人口を有し、環境破壊の元凶ともいえる東京での開校は長年の夢だった。日本は環境に対する意識が低い。東京から意識を変えていきたい」と意気込む。5月30日には、倉本さんの講演会「あたり前の暮らしを求めて」が同園「花みどり文化センター」で1時間にわたって行われた。
同プログラムは、6月中はモニタリング期間とし、一般向けには7月から開始する。各日2回実施(10時~12時、13時30分~15時30分)。2カ月前から受け付けを開始する。
参加費(入園料別)は大人1,700円、小人(高校生以下)900円、シルバー(65歳以上)900円。対象は小学4年生以上。