谷保天満宮(国立市谷保)境内にあるあじさい園で6月11日、21日に開催される「あじさい祭り」に向けて「あじさい植えよう会」による準備が行われた。
「あじさい植えよう会」は、国立など地元に住む人たちを中心に集まった有志の会。約40人の会員が水やりや手入れなどあじさいの世話をはじめ、毎年6月に行われるあじさい祭りの準備や運営などをボランティアで行っている。
あじさい園が同天満宮の弁天池近くの斜面に作られたのは2003年。あじさい植えよう会・会長の関政市さんは「当時、厳島神社(弁天さま)にさい銭泥棒が頻出するなど荒れ果てており、何とかしなければと思っていた。弁天さまの周辺をきれいにし、見通しをよくすればさい銭泥棒もなくなるのではないかと考え、最初は共感してくれた有志5人ほどから整備をスタート。あじさいを植え、あじさい園とすることとした」と振り返る。
道具や材料など必要なものは地元企業の協力や持ち寄りでそろえ、草刈り、斜面の整地、遊歩道の整備、階段や石垣作りなど、それぞれが仕事などで培った技術や知恵を出し合い、手作りした。徐々に輪は広がり、総勢13人ほどで約2カ月かけて完成させた。「素人には無理だと言われて奮起した。仕事の後17時ごろから集まり、23時過ぎまで作業をしたこともある」と関さん。あじさいも、声掛けをしていくうちに寄贈や天満宮の参拝客からの奉納で増えていき、現在は約30種、1000株を超える。「植えたあじさいがきれいに咲いたと連絡すると、とても喜んでいただける。輪が広がっていくのがうれしい」と笑みがこぼれる。
6月11日は、午前中ということもあり、主婦を中心に20人ほどが集合。あいにくの天気だったが、和気あいあいとした雰囲気の中、敷地内に「あじさい祭り」ののぼりを立てていく。「あじさい祭りのころにちょうど見頃を迎えそう」と関さん。
あじさい祭り当日は、夜のあじさいを楽しめるようライトアップを実施。おはやしや天神太鼓、稚児舞「紅わらべ」が行われるほか、同会で手作りした焼きそばと豚汁を来場者に振る舞う。「ぜひ焼きそばや豚汁を食べながら、お花見を楽しんでいただければ」
あじさい祭りの開催時間は18時30分~21時ごろまで。焼きそばと豚汁は無料(1000食限定で無くなり次第終了)。