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くにたちアートビエンナーレ 第1回野外彫刻展始まる 大学通りに受賞6作品

大賞の中島真理子さんの「重くて、脆くて、とても厄介なもの」

大賞の中島真理子さんの「重くて、脆くて、とても厄介なもの」

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 国立駅南口の大学通りで3月30日、 「くにたちアートビエンナーレ 第1回野外彫刻展」が開幕した。主催は、くにたち文化・スポーツ振興財団。

受賞者と選考委員、市長、財団理事長ら

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 同事業は「アートによる都市空間の誕生」の礎を築くため、全国公募の野外彫刻展を柱として創設した2年に1度開催する芸術祭。1回目となる今回のテーマは「祝祭」。一橋大学前の通りの緑地帯に設置する彫刻作品を全国から募り、北海道から沖縄まで119点の応募作品の中から書類選考、模型による第2次選考を経て選ばれた大賞、準大賞各1点と優秀賞3点、市民投票による市民賞1点の計6点を展示している。

 3月30日に最終選考と授賞式が行われ、大賞には中島真理子さんの「重くて、脆くて、とても厄介なもの」が輝いた。重さ5.5トンの大理石の上部に約5ミリの突起を一つ一つ削り出して無数に配した作品で、「石は強いというイメージがあるが、実際にはもろくて扱いにくいという質感を突起で覆うことで表現した」という。中島さんは1985年千葉県生まれ。2011年多摩美術大学大学院修了。

 選考委員長で多摩美術大学学長の建畠晢(あきら)さんは「大理石の力強さと無数の刻みによる繊細さ、全体のフォルムの単純さと細部の複雑さを兼ね備えた存在感のある作品。大学通りの光景にも浸透している」と講評した。「応募作品は全体を通して期待以上に完成度が高かった」とも。

 同財団理事長の永見理夫さんは「1987年の財団設立以来の市民と芸術とをつなぎ、文化を発信したいという夢がようやく実現できた。全部で5回、10年は続けていきたい」と意気込む。

 作品は恒久展示だが、8月30日までの「野外彫刻展」会期中、受賞作家によるワークショップや彫刻のある街をテーマにした写真コンテスト、周辺の文化施設を巡る「アートウォーキング国立2015 IN ビエンナーレ」などを開く。

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