国立のギャラリービブリオで(国立市中1、TEL 042-511-4368)で9月24日から、銭湯絵師・丸山清人さんの個展が開かれる。
銭湯絵とは、公衆浴場の壁に描かれた背景画で、富士山の絵でなじみ深い。銭湯が激減している現在、専門の銭湯絵師は現在3人しかいないといわれており、1935(昭和10)年東京生まれの丸山さんは、80歳になる今も現役最年長の銭湯絵師として活動を続け、最近では映画「テルマエロマエ」でもその作品が登場した。
同展では、三保の松原から見た富士、河口湖から見た富士、朝もやの中の富士、満開の桜と富士など、8割以上が富士山をモチーフにした新作の小品、約40点を出品する。「額縁をはずして裏面に両面テープを付けて家庭の風呂場の壁に貼れば銭湯気分が味わえる」と同ギャラリーオーナーの十松弘樹さん。丸山さんも「樹脂板にペンキで描いているので5年以上は色あせしない。壁にドーンと大きいものを描くのと小さいものを描くのでは違う苦労があるが、楽しく描かせてもらった」と太鼓判を押す作品だ。
生家が1932(昭和7)年開業の国立初の銭湯「富士見湯」だという十松さんは、「ギャラリービブリオのルーツが銭湯なので、開業3周年の記念イベントとして開催できることに運命的なものを感じる。庶民の生活に密着した場所で育まれたアートなので、リラックスして楽しめる展覧会にしたい」と言う。丸山さんは「この仕事を始めて50年以上。全国の銭湯やイベント会場を駆け回ってきたが本格的な個展は初めて」と感慨もひとしおだ。
開催時間は11時~19時。水曜定休。入場無料。10月4日まで。9月27日13時から畳一畳大の板にペンキで描くライブペインティングが行われる。先着20人。参加無料。