東京都酒造組合(立川市錦町1、TEL 042-524-3033)が12月17日、東京の9つの蔵元が協力して造り上げた純米吟醸酒「東京銘醸倶楽部(めいじょうくらぶ)」を限定発売する。
同日本酒の開発について、同組合の玉木さんは「普段はライバル同士である蔵元たちが東京ブランドとして一つになることで、東京の酒造りを広く情報発信したいと思った。杜氏(とうじ)たちの高い技術力をアピールするチャンスにできれば」と話す。
計画が立ち上がったのは昨年の初夏。当初は各蔵の純米酒を集めてブレンドする方向でスタートしたが、ブレンド酒を利き酒した杜氏たちから納得できないと反対の声が上がり、「皆で協力して1本の酒を造る」という現在の形になったという。
各蔵の杜氏や製造担当者らが何度も話し合いを重ね、コメや酵母の選定、酒質を決定。今秋、石川酒蔵(福生市)での仕込みにこぎ着けた。「完成まで時間はかかったが、安易なブレンドで終わらせなかったことで、インバウンド需要が拡大する中、『オール東京で頑張ろう』という結束力が高まったことは大きな収穫」と振り返る。
完成した酒は、米のうま味が生きたまろやかな口当たりで、やや辛口。玉木さんは「酒質は純米吟醸だが、精米歩合は50パーセント。大吟醸として出荷しても恥ずかしくない高い品質となっている。日本酒初心者にも、日本酒にはちょっとうるさいお父さんたちにもきっと気に入っていただけると思う」と太鼓判を押す。
商品名は「東京で上質な酒を造る蔵元の集まり」という意味を込め「東京銘醸倶楽部」と命名。ラベルは、五輪カラーを用い、日本の伝統的な水引をモチーフに「人と人を結ぶ酒」を表現した。束になった水引は、東京の酒蔵の団結と協力をイメージしたという。
「今後も東京をアピールする酒として成長させていきたい」と玉木さん。
720ミリリットル入りで、価格は2,000円。限定1500本。取扱店舗は同組合ホームページで確認できる。