国立の石棒が国の重要文化財へ 緑川東遺跡から出土

緑川東遺跡から出土した4 本の大形石棒

緑川東遺跡から出土した4 本の大形石棒

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 国立市の緑川東遺跡(国立市青柳1・3)から出土した4本の大型石棒が、国の重要文化財に指定される見通しとなった。

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 今回、重要文化財への指定が予定されるのは、同遺跡から出土した「石棒4本と土器残欠3点」。3月10日に開かれた文化庁の文化審議会文化財分科会の文部科学大臣への答申を受け、官報告示をもって正式に重要文化財に指定される。同市所有の文化財としては初の重要文化財指定となる。

 緑川東遺跡は、これまでに5回の発掘調査が行われており、旧石器時代、縄文時代、奈良・平安時代、中世、近世の遺構や遺物が検出される複合遺跡。2012年6月~7月に実施された同遺跡第4次調査で、縄文時代中期末~後期初頭の敷石遺構1基、竪穴状遺構2基、竪穴住居(推定)1基、土坑2基、集石土坑9基、ピット50基が発掘され、敷石遺構の床面に祭祀(さいし)儀礼に使われる大型石棒4本がほぼ完全な形で見つかった。

 石棒は土偶と並んで縄文時代の祭祀儀礼の道具として使われたとされるが、「まつりごと」の際に焼かれ、壊された状態で出土することが多い。同遺跡で出土した石棒は、ほぼ完全な形で、1メートルを超す大形のものが4本並べ置かれた状態で出土したことから、「縄文時代の石棒祭祀の具体的なあり方を考える上で極めて高い価値があると評価されている」という。

 現在、「くにたち郷土文化館」(谷保)で、同石棒2本の展示を行っている。4月18日~5月7日に「東京国立博物館」(台東区)で開催される「平成29年新指定国宝・重要文化財」展での公開も予定する。同博物館での公開終了後の5月下旬ごろからは、同郷土文化館で4本の石棒がそろって展示される予定。石棒は、貸し出し時以外は同郷土文化館で常時展示するほか、今秋には石棒に関連した企画展も予定する。

 国立市文化財担当者は「国立市が所有する文化財としては初めての重要文化財となるので、非常にうれしく思っている。くにたち郷土文化館にお越しいただき、実物をご覧いただければ」と呼び掛ける。

 くにたち郷土文化館の開館時間は9時~17時(入館は16時30分)。

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