新型コロナウィルス感染予防対策として、政府の要請を受け、多摩地域の市町村も自治体により若干の違いはあるものの一斉に小中学校を臨時休校にする措置を決めた。
立川市内では、政府の要請が出ていない学童保育所や保育園は閉所していないが、幼稚園はほとんどの園が休園しており、こばと幼稚園(立川市高松町)と立川みどり幼稚園のみが同市で休園とせず、自主登園としている。
同市の休園にした幼稚園での預かり保育では、若草幼稚園(柴崎町)が希望者全員を受け入れたほか、ふじようちえん(上砂町)は就労の人の預かり保育を実施。立川かしの木幼稚園(幸町)は原則として2号認定の人のみの預かりなど、対応はさまざま。
小学校や幼稚園に行っている時間だけ働いている親にとっては、学童も利用できず、急な対応に戸惑いの声が上がっている。立川市在住の2年生の児童の母親は「小学校に行っている間だけ勤務している。一人で留守番をさせるのも不安。児童館や図書館も閉館し、家に1カ月間こもらせるのも精神的に身体的にも心配で、昼食の用意など親の負担も増え大変」と不安を口にする。
そうした中、働き方を工夫して対応する企業も増えている。けやき出版(柴崎町)の小崎奈央子社長は「在宅勤務が可能な人は作業をリモートに。最低限必要な出社するスタッフをシフトで決め、出社時間を流動的に対応。留守番している子どもたちの昼食問題が気掛かりという声が多かったため、午前出社または午後出社を可能とし、お昼は子どもと過ごしてもらえるようにした」と話す。
保育園や男女平等参画事業を行うシーズプレイス(錦町1)の森林育代社長は「育児中の女性を積極的に採用している当社では、夏休みや春休みの長期休みは会議室1部屋を子どもたちのために開放しており、今回も子連れで出勤可能とした。希望者には給食も提供。弊社のようなサービス業は全員が在宅勤務をすることは難しい。臨機応変に多様な働き方に対応できるよう、社会全体の理解と仕組みを整えていくことも必要」と働き方改革にも期待を込める。