あら井鮨総本店(立川市曙町1)は増田屋酒店(曙町1)と協力し、5月6日、すしとペアリングした多摩地域の酒蔵の日本酒を合わせて提案し、増田屋酒店が配達とテークアウトでの販売を始めた。
緊急事態宣言の延長を受け、時短営業要請と酒類提供の禁止がさらに続くことになった。あら井鮨総本店では、客単価が下がりディナータイムの客足は激減しているが、代わりに出前とテークアウトの注文が以前より増えているという。
店主の盛池勝也さんは「お客さまから『お酒が飲めないのは寂しい。やはりうまいすしとお酒はセットだから』と言われた一言がきっかけで、出前やテークアウトでも酒と一緒に提供できたら喜んでもらえるのではと思い、増田屋酒店に相談。同サービスを始めることになった」と話す。「厳しい状況が続く取引先の卸業者の力添えに少しでもなることができれば」とも。
多摩地域の飲食店を中心に酒類の卸販売を行っている創業69年の増田屋酒店。ホテルや飲食店への卸販売のみしか行っていない同店のような酒販店は、政府からの補助金も対象外で、一切の酒類の提供が禁止となった今回の緊急事態宣言では販売先が無くなり、被害が大きく非常に厳しい状況だという。
「このような状況を理解し、気に掛けて声を掛けてくれた気持ちがうれしかった。飲食店だけでなく、卸酒店、食材業者も厳しい状況が続いていることを多くの人に知っていただければ」と店主の杉田光輝さん。
増田屋酒店がセットで販売する酒メニューは、すしに合う多摩地域の酒蔵が造る3種類の日本酒「多満自慢」「田むら」「澤乃井」をペアリング。価格は全て1,800円(720ミリリットル)。
出前・テークアウト用のすしメニューは、手巻きずしセット(4人前、1万2,960円)、焼き物炊き合わせセット(18品程度、5,400円)、花(中トロ、シマアジ、イクラなど7貫と卵=2,700円、月(中トロ、車エビ、穴子など7貫と卵=3,780円)、雪(大トロ、釣りアジ、ウニなど7貫と卵=5,400円)、扇(大トロ、アワビ、子持ち昆布など9貫と卵=7,560円)、ほか巻物などを用意。
盛池さんは「緊急事態宣言延長が決まり、飲食店、卸酒店、食材業者は厳しい状況が続いている。それでも皆で協力してこの状況を何とか乗り越えていきたい。家で家族と江戸前ずしと日本酒を楽しむのは感染拡大にはつながらないので、ぜひこの機会に利用いただければ」と利用を呼び掛ける。
配達地域は、あら井鮨総本店から約半径2キロ圏内。酒の販売は要事前予約。