武蔵村山の下田ミカン園(武蔵村山市三ツ木3)が5月上旬から中旬にかけて、ミカンの花から採取した蜂蜜の販売を始めた。
5年前に武蔵村山市の産業振興課から、ミカン園を探していた養蜂家「オラトニアハニー」の村田真俊さんの紹介を受けたのがきっかけで、同園で蜂蜜の採取を2020年に始め、今年で2年目となる。
村田さんは現在、長野県青木村で養蜂を営んでいるが、武蔵村山市出身だったため同市に相談したところ、下田ミカン園とつながったという。同ミカン園代表の下田智道さんとは同じ中学校の出身で、2歳差の先輩後輩という縁も。
狭山丘陵の南斜面を利用し、温州ミカンを主にミカン狩りで販売し地産地消に力を入れている同園。東京エコ農産物認証を受け、低農薬・低化学肥料栽培にも取り組んでいる。通常のミカン園は一年中農薬を散布しているため、国産のミカンの花の蜂蜜は収穫地が少なく、市場に少量しか出回らない貴重な種類。同園は冬場から採蜜後までは農薬を散布してないため、農薬混入の心配がないミカンの花の蜂蜜が採取できる。
ミカンの開花時期は5月上旬~中旬の1週間ほどで、その時期にしか採蜜することができない。村田さんと下田さんが開花の状況について密に連絡を取りながら、開花を待ってミツバチの巣箱を3箱設置し、同期間に採蜜。今年は180グラムの瓶に200本程度採蜜できた。
下田さんは「昨年は知人への販売のみだったが、今年から初めて店に卸し、下田ミカン園からは3店で計30本限定で販売する。少量の販売なので早目に手に取っていただければ」と呼び掛ける。
「ミカン蜂蜜は、特有のかんきつの香りがあり、サッパリとした味わいが特徴。ヨーグルトや紅茶に入れて、ミカン特有の香りを楽しんでいただけたら」とも。
価格は2,000円(180グラム)。パン店「もりのこむぎ」(武蔵村山市学園3)、JA東京みどり みどりっ子村山店(武蔵村山市本町1)、野菜直売所「とれたの」(国立市富士見台1)の3店で扱う。