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武蔵村山「カフェ・アイ・シェア」が4周年 地域の「分かち合いスペース」に

ブルックリンスタイルの店内

ブルックリンスタイルの店内

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 古民家をリノベーションしたカフェ「cafe i share(カフェ・アイ・シェア)」(武蔵村山市残堀2)が9月5日で4周年を迎える。

店内やシェアスペースではさまざまなイベントも

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 同店は、店主・杉本崇さんの実家だった築42年の一軒家をリノベーションしたカフェとシェアスペース。当初は杉本さんの営む保険代理店の事務所として使っていたが、2016(平成28)年末から9カ月かけて改装し、カフェをオープンした。

 「17年前に保険代理店を立ち上げた時、周囲に起業した人がいなくて不安だった」と話す杉本さん。「思いを共有したり、チャレンジする事を話せたりする仲間や相談できる場所が欲しかった」と振り返る。その頃から「初めの一歩を踏み出す人を応援し、人と人がつながる場所を作りたい」との思いを温めてきた。カフェ業態を選んだのは「事業の自由度が高く、さまざまな人が集まりやすい場所だから」と話す。

 地元の同級生に「こんな店をつくりたい」と夢を話したところ、賛同してくれる仲間が集まった。飲食店の立ち上げは、杉本さんはもちろん全員が初めての経験だったが、内装や設備工事など手探りながらもそれぞれの特技や仕事を生かし、ゼロから立ち上げた。「店を作る過程自体が、それぞれが経験してきたことを『分かち合い』、『初めの一歩』を踏み出すという店のコンセプトを体現した」と杉本さん。

 立地は交通の便の良くない住宅街だったため、「ここを目指して来てくれるような」店を作ることが課題だった。「三多摩一かっこいい内装にしたい」と、仲間の一人でオリジナル家具職人の「LIZEworks(ライズワークス)」代表・杉本謙ニさんに相談し、金属と木材を組み合わせたインダストリアル(工業的)系の家具や什器、モルタル造形の壁面など、店内をブルックリンスタイルに仕上げた。地域のハンドメード作家とのコラボイベントやワークショップを頻繁に行い、まず店を知ってもらうことから始めた。

 口コミやSNSを通じて客も増え売り上げも安定してきた頃にコロナ禍に見舞われた同店。緊急事態宣言下で客足の鈍るなか「店を忘れられないようにしたい」と、個人で参加できるイベントやテレワークプラン、店内を撮影場所に貸し出すなどの企画を打ち出すなど工夫を重ねている。

 「これからは『物を買ったら幸せ』という物質社会から、体験や経験が人生を豊かにしてくれる社会に変わっていくと思う。今後も人がつながり、さまざまなことにチャレンジできる場を提供していきたい」と意気込む。

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