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「立川名画座通り映画祭」7年目の開催 過去最高186作品が応募

グランプリを受賞した「THE BELL」(恵水流生監督)

グランプリを受賞した「THE BELL」(恵水流生監督)

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 「第7回立川名画座通り映画祭」が9月10日~12日の3日間、立川の柴崎学習館(立川市柴崎町2)で開催された。

「立川名画座通り映画祭」7年目の開催 過去最高186作品が応募

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 かつて立川に10館あった映画館の中でもシンボル的存在だった名画座。多くの映画館が無くなっていく中、同映画祭は商店街の有志が2015(平成27)年、立川市と地元の商店街の活性化と映画映像文化の発展の寄与を目的に始め、今年で7回目を迎える。

 今年は、過去最高の186作品の応募があり、ドラマ部門、立川市部門、スマホ部門、アニメ部門など13作品が受賞。実行委員長の中村能己さんは「いつもながらアニメ作品のレベルが高かった。スマホ部門は簡単に撮れる分、アイデア作品が多く、コロナ禍で少人数でも撮れるので、今までにない面白いものが多かった」と話す。「ドラマ部門は、入選した作品のほとんどがプロ、セミプロの方のもので年々レベルが上がっている」とも。

 グランプリを受賞した「THE BELL」は、ホテルマンのショウタが出会う不思議な人たちとタイムスリップするコメディードラマ。「生き別れた人との重いテーマをコメディータッチで軽妙にテンポよく飽きさせない映画。これほどの内容を、しかもたった10分で、それぞれの登場人物の個性を描ける監督の力量はさすが」と中村さん。

 立川市長賞には、立川市部門から「グローブマスター機墜落事故」が受賞。1953(昭和28)年、米軍立川基地から離陸した米軍輸送機が小平市に墜落し、航空機事故としては当時史上最大の死者を出した事故について目撃者の証言や写真資料を基に迫るドキュメンタリー作品。

 当日は、コンペによって選ばれた自主製作短編映画32作品を上映。併せて、ガレッジセールのゴリさんが監督・脚本を務めた映画「洗骨(せんこつ)」と、短編アニメーション「アイアンブリッジ」も上映した。コロナ対策のため、例年当日に行っていた最終審査を事前に行い、受賞作品をホームページ上で8月上旬に発表。映画祭は定員50人の完全予約制で、他県からの来場は禁止して行った。

 受賞者からは「久しぶりの映画祭で楽しかった」「大画面はやはりいい」「オンラインよりリアルがいい」「来年はもっと良いものを作ってまた出したい」などの声が上がった。

 中村さんは「厳しい環境の中、映画を撮った出品者の方には心から敬意を払うとともに、規制のあるなか訪れた観客にもお礼を言いたい。昨年よりも50作品も多い出品数から、クリエーターの、どんなに厳しくても作品を作りたいという欲求を強く感じ、それに応え続けることが我々の使命とも感じた」と振り返る。

 「今後も必要とされる映画祭となれるよう取り組んでいきたい。コロナが明けた暁には、市民映画祭として、地域の方々も見るだけではなく、参加していただければ」と呼び掛ける。

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