立川に12月16日、クラフトビールを製造する「立飛麦酒醸造所(立飛ブルワリー)」(立川市高松町1)が開業し、21日以降からオンラインショップでも販売する。
立飛ホスピタリティマネジメントが10月に立川で唯一となるビール製造免許(最低製造数量基準60キロリットル)を取得し、10月25日、テスト醸造を開始。2019(平成31)年4月まで西国立駅前の料亭「無門庵」でクラフトビールを製造・販売していた「ファクトリーカミカゼ」の思いを継いで、立川に同醸造所を開業する。
都内でクラフトビールと呼ばれている醸造所約70社のうち9割以上が発泡酒の醸造免許だが、同社が今回取得した免許はビール醸造免許。酒税法で、発泡酒の醸造免許は麦芽とホップに必ず副原料が入ったものだが、ビール醸造免許は麦芽とホップがメインで、若干の副原料(米、コーンスターチなど)のみが認められている。同醸造所は副原料を一切使わず、麦芽とホップと水と酵母のみでビールを造るという。併せて、無ろ過でナチュラルカーボネーション(自然発生の炭酸ガス)という発酵の仕方にこだわり、酵母の発酵したガスだけで、人工的な炭酸ガスを注入しないビールを造る。
年間を通じて定番で提供するビールは、「立飛ピルスナー」「立飛ペールエール」「立飛ヴァイツェン」の3種類。「立飛ピルスナー」は、ピルスナー発祥の地であるチェコのボヘミアンスタイルを醸造。「立飛ペールエール」アメリカの3種類のかんきつ系の香りがするホップを使用。ビールが苦手な人のためにホップの苦みを抑えたビールの入門編だという。「立飛ヴァイツェン」は、小麦麦芽を50%以上使ったドイツの伝統的なビール。バナナ、クローブのようなフルーティーな香りと軽やかな酸味が特徴。
醸造長の清水秀晃さんは「世界中には150数種類のビールがあるといわれている。その中から厳選して基本に忠実に、原料から製法にまでこだわり、1年の間で10種類のビールを造っていく予定。私は立川生まれで立川育ち。立川の人間が、立川でビールを造り、立川の人たちにおいしいビールを飲んでもらうのが私の使命。ぜひ味わっていただければ」と呼び掛ける。