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国立の天神米農家、「東京お米サロン」で田植え体験やオンライン食講座も

西野農園13代目の西野耕太さん

西野農園13代目の西野耕太さん

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 国立の西野農園(国立市谷保)が、農業体験やオンラインイベントを通して地域の人たちと共に活動する「東京お米サロン」を立ち上げ、活動を始めた。

谷保天満宮でもみ種のおはらいを受けて植えられた天神米

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 同農園は300年以上続く米作りの農家で、東京都内で「販売」のための米作りを続けている数少ない農家の一つ。13代目となる西野耕太さんは「当農園は、江戸時代から谷保天満宮の天神米や、ワサビ、野菜などを作り、甲州街道を使って運び、東京の食文化を支えてきた。しかし、米離れの加速や人手不足により、米作りの継承には大きな課題を抱えている。周りには住宅が立ち並び、昔ながらの景観がどんどん失われていく中にあって、四季折々の気候が与えてくれる田園風景と自然の恵みを絶やさないよう、日々米作りに勤しんでいる」と話す。

 同サロンは、農業体験、オンラインイベント、食事会といった一年の活動を通して、フードビジネス業界を巻き込みながら地域の人々と一緒に学び、語り、楽しむ場を作ることで東京の米作りを応援するプロジェクト。西野さんが、調布の米店「山田屋本店」の6代目秋沢毬衣さんや、「くらしとデザイン舎」代表の山根正充さん、フードビジネスプロデューサーの石川史子さんと一緒に立ち上げた。

 4月21日には、天神米のもみ種を谷保天満宮でおはらいする様子をオンラインで配信。天神米は、毎年春におはらいを受けたもみ種を使って植え、その年の豊作をはじめ、家内安全や学業成就への願いが込められた縁起の良い米で人気があるという。

 5月22日は、府中用水から水を田んぼに入れる「入水見学&人力田起こし」、6月4日に田植え体験、10月1日に稲刈り、12月には稲穂を使ったしめ縄作りのイベントを開く。

 1月の「究極の朝食会」に向けて、材料を自宅に届けてオンラインで食の講座も開く。7月はぬか床教室、8月はつくだ煮講座、9月は江戸のだし文化講座、11月には収穫した米を味わいながらの利き米講座を開催。1月に東京産の食材で味わう「究極の朝食会」を1年の集大成としてイベントで開催予定。

 同サロンの協賛企業であるおしぼり販売会社FSXの広報担当者の唐沢志乃さんは「人や社会、自然と共に生きる『共生』を企業スタンスに掲げる当社は、国立市谷保に広がる田園風景を守り、自然の恵みである米作りを継承する西野さんの活動を応援したい。環境と調和した持続可能な農業の推進はSDGsの取り組みの一つでもあることから、当サロンへの社員の参加を通じて、食への理解を深めるとともに、SDGsの取り組みについても学んでいきたい」と意気込む。

 同サロンへの入会はフェイスブックグループへ「いいね!」を押して申し込む。入会無料。

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