学ぶ・知る

国立でゲーム開発イベント「グローバルゲームジャム」-視覚障がい者も参戦

熱気あふれる会場の様子

熱気あふれる会場の様子

  • 0

  •  

 全世界で同時にゲームを開発するイベント「Global Game Jam(グローバルゲームジャム)2015」が1月23日~25日、谷保駅近くにある「Chika-ba(ちかば)」(国立市富士見台1)で行われた。

[広告]

 ゲーム開発者を対象とした国際NPO「国際ゲーム開発者協会(IGDA)」が主催する同イベントは、プロ・アマチュアを問わず、各会場に集まった開発者がチームを組み、48時間という限られた時間の中でゲームを作り上げる世界最大級の「ハッカソン(開発イベント)」。2009年の初開催以来、年々規模を大きくしており、昨年は世界72カ国、488の会場が設置され、約2万3000人が参加。日本でも北海道から沖縄まで20会場で、約600人が参加した。

 「Chika-ba」は今年、日本に設けられた全19会場の中の1つ。今回、同会場で同イベントに参加したのは、社会人を中心に大学生、高校生ら15人。その内3人が視覚障がいを持つ。

 同会場での主催者・ギフトテンインダストリ(国分寺市泉町3)の濱田隆史さんは、「当社は昨年、視覚障がい者と晴眼者が一緒に遊べるボードゲーム『アラビアの壺』を開発したが、制作に取り組む中で、全盲のゲームプログラマーの方と出会った。『いつか絵付きのゲームを作ってみたい』という彼の夢を聞き、真っ先に思い付いたのがゲームジャム。初めて会った人同士がチームになってゲームを作る同イベントでは、できないことにフォーカスするのではなく、『何ができる?』という所からスタートする。見えないというハンディキャップがあっても、大して問題にならないのではと思った。見えても見えなくても楽しめるゲームの制作は大きな挑戦だが、やってみようと思った」と振り返る。

 当日は、企画・プログラム・デザイン・サウンドといった参加者の得意分野に応じて3チームを結成。「音」の使い方に工夫を凝らし、「見えても見えなくても楽しめる」ゲームの開発に取り組んだ。同会場では、音の種類や聞こえる方向から障害物を知り、うまくよけながらセミ取りをするアクションゲーム「ぼくのちいさな大冒険」、ノックしたマンションのドアを開けていく対戦型のリズムゲーム「PP DASH」、心音を頼りにゾンビの居場所を探り、倒していく探索3Dアクションゲーム「木こりは眠らない」の3作品を制作した。

 最終日の25日には、濱田さんが主宰するプログラミング教室に通う小学生らによるテストプレーを実施。完成まであと一歩というチームもあったが、ゲームのキャラクターが動く様子に目を輝かせモニターを見つめる子どもたちの姿があちこちで見られたほか、キャラクターの動くタイミングの調整や、「もっと鳥のふんを降らせてほしい」といったゲームへのリクエストなどもあった。

 濱田さんは、「今回、視覚障がいを持つ方との制作を通して、バリアーはないなと感じた。プログラミングは視覚障がいを持つ方も活躍できる分野。今後、就労支援などにつなげていけたら」と意欲を見せた。

 今回開発されたゲームは、「ggj_chika-ba」のサイトで公開する。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース