源氏物語展「源氏物語の新世界―明け暮れ書き読みいとなみおはす―」が1月11日、たましん美術館(立川市緑町)で始まった。たましん美術館と大学共同利用機関法人人間文化研究機構「国文学研究資料館」(同)の共催。
同資料館は日本文学をはじめさまざまな分野の研究のため、国内各地の日本文学と関連資料を大規模に集積する総合研究機関。貴重書やマイクロフィルム約19万点などの日本文学関係資料と歴史関係資料約52万点を所蔵する。閲覧室と展示室は一般開放し、展示会や講演会、シンポジウム、講習会などを開催している。
同資料館副館長の入口敦志さんは「2008(平成20)年に品川区から移転してしばらくたつが、同資料館での展示会への来場が少ないので2022年から同美術館と共催することを企画してきた。今回初めての共催で、昨年の大河ドラマに合わせ、テーマを源氏物語とした」と話す。
会場には、同館が所蔵する源氏物語の写本や版本、絵入り本、画帖(がじょう)や絵巻、びょうぶや掛け軸など約50作品を展示。入口さんは「時代を超えて愛されてきた源氏物語は、写本として書き継がれたり版本として刊行されたりしてきた。平安時代の写本は残っていないが、展示している鎌倉時代の桝形本(ますがたぼん)は文化財としても貴重」と話す。
併せて、版画家の芦川瑞季さんと画家の成瀬拓己さんが同美術館の紹介で同資料館の研究者と源氏物語を題材としたワークショップを重ねることで制作した現代美術作品も展示する。
1月11日、25日、2月8日、22日には、同資料館の研究者が出品資料や展覧会の見どころを解説するギャラリートークを行う。
1月31日にはワークショップ(要予約)を行う。美術家・漆芸の染谷聡さんが、古典籍の画像を使ったコラージュと漆を使ったオリジナル封筒作りを指導する。
入口さんは「若手アーティストとのコラボレーションも見どころ」と話す。
同美術館の開館時間は10時~18時。入館料は、一般=500円、高校生・大学生=300円、中学生以下無料。月曜休館。