立川シネマシティ(立川市曙町2)で8月17日、映画「キャタピラー」の公開を記念して若松孝二監督の舞台挨拶が行われる。
若松監督は、1963年にピンク映画「甘い罠」で映画監督としてデビュー。人間の根元的な要素であるエロスと暴力をテーマに捉えた衝撃的な作風や、強度を持った豪快な演出、意表を付く設定などが特徴。「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」ではさまざまな映画祭で数々の賞を受賞。各国の映画祭でも映画賞を総なめにし、毎日映画コンクールで監督賞、日本映画評論家大賞で作品賞を受賞し、日本アカデミー賞以外の権威ある賞をほぼ総なめにした。
映画「キャタピラー」は8月14日から公開。太平洋戦争のさなかに手足を失って帰還した傷病兵とその妻の姿を描いた作品。四肢を失い、顔は焼けただれた姿となって戦場から戻る久蔵を大西信満さん、その久蔵を看病するシゲ子を寺島しのぶさんが演じた。正義のための戦争などないという若松監督の痛切な思いが、過激な描写で語られる。2010年香港国際映画祭、全集国際映画祭(韓国)に招待されただけでなく、主演の寺島しのぶさんが2010年ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、世界中から賞賛されている。
広報担当の古川さんは「正義のための戦争がどこにあるのかということを、半世紀近い間で戦争に対する『怒り』を表現してきた若松孝二監督の作品への想いを直に聞けるまたとない機会。ぜひ多くの方にお越しいただきたい」と話す。
舞台挨拶は17日12時15分の回の上映後。全席指定。定員制。14日よりWEB予約、窓口販売を開始。なお、同映画は、大人=1,300円、大学生・専門学校生=1,000円、高校生・15歳以上の中学生=500円の特別料金で入場可能。上映期間は9月3日まで。