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「赤い三角屋根」の旧国立駅舎、間もなく完成 まちの魅力発信拠点に

アーチ窓やヒノキの折戸、切符売り場など、開業当時を再現した旧国立駅舎の内部

アーチ窓やヒノキの折戸、切符売り場など、開業当時を再現した旧国立駅舎の内部

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 2018(平成30)年から再築工事が進められてきた旧国立駅舎が4月4日、「まちの魅力発信拠点」として生まれ変わる。

「赤い三角屋根」がトレードマークの旧国立駅舎

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 「赤い三角屋根」で知られる旧国立駅舎は、フランク・ロイド・ライトに師事した建築家の河野傳が設計。1926(大正15)年の開業以来「まちのシンボル」として親しまれてきたが、JR中央線の高架化工事に伴い80年の駅舎としての役目を終え、2006(平成18)年に解体された。しかし木造の大正期駅舎として技法的・技術的に希少価値があることから、国立市指定有形文化財に指定。解体を惜しむ多くの声を受け、再築を目指し保管された。その後、同市はJR東日本と土地売買契約を締結。以前とほぼ同じ場所に再築が決まった。

 14年の歳月を経て新たに生まれ変わる旧国立駅舎の建物は、保管していた部材を再利用し、創建当時の姿で再築。トレードマークの「赤い三角屋根に白壁、差し色のブルーグリーン」など、現存する図面や当時の写真から再現したほか、昔を知る地域の高齢者らからも聞き取りを行ったという。

 内部の間取りは「広間」「旧駅長室」「旧手小荷物扱所」「旧湯沸室」などに分かれ、アーチ窓やセピア色の間接照明、青磁タイル、大正期の雰囲気そのままの改札口や切符売り場の窓口を再現。「宿直室」には3畳の畳部屋も。開業後は案内人を配置し、市の情報発信や交流機能などを担う観光案内所や展示スペース、多目的スペースとして活用するほか、ベンチやデジタルサイネージなどを設置し、待ち合わせや憩いの場としても提供する。

 同市の広報担当者は「新たな役割を担ってスタートする旧国立駅舎が、再び多くの方に愛されるよう目指していきたい。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当初予定していた記念式典と開業イベントは中止となるが、万全の策を講じた上で4月4日11時に建物の開業を予定している。ご理解・ご協力の下、来場いただければ」と呼び掛ける。

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