JR中央線東小金井~武蔵小金井間の高架下でJR東日本グループが展開する食事付き学生向け賃貸住宅「中央ラインハウス小金井」(小金井市緑町1・5)の入居が3月28日、始まった。
全長約400メートルに及ぶ高架下を3つのゾーンに分け、住居109室のほか、多目的ホール、専用カフェテリアなどを配置。18棟で構成された建物は「プライベートに配慮しつつも交流を育み新しいライフスタイルを提案する」というデザインコンセプトで、建築家の北山恒さん、 谷内田章夫氏さん、木下道郎さんが設計した。
自室にキッチンやバスルームが付いた独立タイプ、キッチンやライブラリースペースを共有するシェアタイプなど3つの間取りタイプを用意。高架下の立地を生かした天井高3.5メートルの専有スペースにはロフトや収納、デスク、棚などを効率よく配置したほか、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などの家電も完備した。平日朝夕2食の食事サポートを提供するほか、セキュリティーは全室二重ロックのカードキーで対応。同じ建物に住む学生同士が交流できる「コモンスペース」を充実させたことが最大の特徴となっている。賃料は月額5万2,000円~7万円(入館料・共益費別)。
新型コロナウイルスの影響で入居対象校の「住まい学内相談会」やキャンパスイベントが中止になったほか、ほとんどの大学が授業開始日程の繰り下げを行っていることから申し込み状況はやや低迷しているが、3月末日の時点で独立タイプの住居は満室、そのほかも残り数室という。
同グループのJR中央ラインモール広報担当者は「直接的に沿線居住者を増やすことができるという点で新しい取り組み」と話す。「住居提供だけでなく沿線の価値向上を体現する施設となるのが狙い」とも。地域交流を通じ、学生が主体となってさまざまな課題と向き合いながら社会実装できる活動を行うことを目指す。