立川の国文学研究資料館(立川市緑町)が、新型コロナウイルス感染症に際して、ロバート キャンベル館長からのメッセージ動画「日本古典と感染症」を公開した。
同館ではおよそ60万冊に及ぶ文学をはじめとする江戸時代以前に作られた書物のデジタルイメージのデータベースを公開している。同館が所蔵している日本で流行した疫病に関する物語や詩歌、医学書などには、当時の人々がどのように厄災と向き合い、乗り越えていったのかなどが記されているため、そうした情報を紹介するとともに、「今の状況を乗り越える時が必ず来る」というメッセージを送るため動画を作成した。
動画では、タイトルの「日本古典と感染症」について具体的に古典文学を取り上げ、伝染病を笑いで浄化することなど、江戸時代の人々がどのように伝染病などの災いを乗り越えてきたかを紹介。併せて、料理本など、同館が所蔵するさまざまな古典文学について話すとともに、自宅から誰でも利用することができる古典文学の画像データベース「新日本古典籍総合データベース」についても話す。
キャンベル館長は「当館が発信しているオンラインリソースは、作品の名前を知らなくても興味があるワードを入れて検索すると、文字ばかりでなく絵もたくさん出てくるので、歴史から何かを学び、感じ、何かを変えるきっかけが見つかるかもしれない。外出自粛が求められ学校も休校になっている今、ぜひ使っていただきたい。緊急事態が終息した後、来館も心よりお待ちしている」と呼び掛ける。
動画は同館のホームページから視聴可能。