立川の生花店「蔵の花屋 コトハ」(立川市砂川町3)が、緊急事態宣言期間中、感染リスクのある現場で従事しなくてはならない事業所へ花のアレンジメントを寄付する活動を行っていた。
同店は緊急事態宣言期間中、店舗営業は休業していたが、オンラインで家庭で花を楽しめる「花絆 Stay Home 花セット」を販売していた。その売り上げの一部を使い、同じ期間中に感染リスクがある現場で働かなくてはいけない事業者、従事者へ感謝と応援を込めて花のアレンジメントを寄付した。
「皆様、地域の為に本当にありがとうございます」と書いたメッセージカードを添えたアレンジメントを、保育園や介護事業者、銀行、コンビニエンスストアなど11カ所に贈った。
店長の浅井祐子さんは「感染リスクを抱えながらも現場で働いている方々は、精神的にも肉体的にも相当な困難を抱えていると思い、花の力でほんの一瞬でも癒やされていただければと企画した。最前線で働いている医療関係者にも届けたかったが、衛生面の観点等で花の寄付をすることができず、今回は保育園や運送業者等への寄付になった」と話す。
「コロナ禍の影響は数年先を見通して生産している花農家にも大きな被害が出ている。季節は巡り、開花を待てない花を需要が減り値崩れした市場へ出荷している状況。微力ながら生産者の助けにもなることを願い寄付活動を行った。今回の活動が生産者、市場、花屋、消費者を巡って幸せの循環になれば」とも。
店主の滝島聡さんも「売上金の一部を緊急事態宣言後も変わらず地域のために頑張ってくださっている方々に、感謝と応援を込めて、アレンジメントを寄付させていただいた。地域で社会生活の維持に必要な業種の皆さまに少しでも癒やしをお届けできたら」と話す。
寄贈先の「みらいのたね保育園」(錦町1)の矢島綾子園長は「保育園はできる限りの感染予防対策はしているものの、保育をするという性質上、どうしても密を避けられず、スタッフは感染リスクの高い状況で働かなければならなかった。そんな中、すてきな花の贈り物を頂けて、一時でも癒やされる時間を持てたことに大変感謝したい」と話す。